世界に向いた歩み

――ご監督の『アファンティ』シリーズ、『猫』『大草原の小ネズミ』などのアニメはかつて国際映画祭で賞をもらったことがあり、『アファンティ』はアカデミー賞映画祭に入選したことがありますが、曲さんは如何にして中国のアニメを世界に歩み、外国のアニメ製作の中から先進的な理念と経験を学んできたでしょうか。

曲　1989年の初め頃、私は上海美術映画製作を辞めて「大連阿凡提国際動画公司」を成立した。私の会社は最初に国際アニメ市場に入った中国の会社で、外国の製作投資者と合作の中で、何回も資金などの問題のために途中でだめになってしまいました。

スペインの国際映画祭で評審委員を務めたとき、業界のモロさんと知り合いました。ちょうどそのとき、あるフランスの投資者はスケッチで描いた『猫』と言うアニメを製作したく、モロさんに監督を探してもらっているところです。それで、モロさんは投資者に中国人にやってもらおうと推薦しましたが、投資者は、中国人が水墨画のアニメは上手だが、スケッチはだめだと言って断りました。それでは「阿凡提（アファンティ）」にやってもらいましょうとモロさんがまた提案しました。投資者は賛成しました。というのは投資者はアファンティをイタリア人監督だと思い込んでしまったからです。すると、契約してこの『猫』アニメを監督し始めました。『猫』が上映された後、好評され、そして1990年のフランス・アヌシ国際アニメ映画祭で「ベスト創作賞」を受けました。

それで、フランスの投資者はこの「イタリア」監督に会いたくなりました。私がパリで投資者に会うとき、投資者は惑いました。来た人々の中にはイタリア人が一人もいないのです。「アファンティ」は中国人だと分かった投資者はとても感服し、次の映画の監督について相談するつもりになりました。こうして、「アファンティ」の知名度は海外で徐々に拡大され、合作によって一部の中国のアニメ作品も世界に推し進められました。

その後、またアメリカで数軒のアニメ会社を視察しました。1993年、アメリカSABAN国際娯楽会社と合作し、52回の長編テレビアニメ『大草原の小ネズミ』を製作しました。これは中国では初めての国際アニメ市場に入った最も長いテレビアニメシリーズです。アメリカの会社との合作で、海外のアニメ会社が前期、中期、後期における製作、運営、発行の収入の予測などの操作パタンについてある程度分かるようになりました。それと同時に最初に国内にキャラ商品の概念を引き入れ、当時の空白の国内アニメキャラ商品にとってはとても貴重な経験だと言えると思います。

――中国のアニメには外国人に理解できない中国伝統文化がよく付くそうで、ご製作やご紹介のときにこんな困難に出会いましたでしょうか、いかに解決したでしょうか。

曲　これは中国アニメが国際化する過程の中で出会った最大の問題だと言えます。多くの中国の伝統文化的なものをもし改編しないままで外国に紹介するならば外国人には理解できません。中国の京劇の隈取りを例にしてみましょう。外国人のアニメの変形はリアル的な変形でありますが、中国の隈取りの変形は抽象的な図案変形であり、外国人が分からないし理解もできません。

私の考えでは、まず、中国アニメの特徴を保ち、中国の風格を目立たなければなりませんが、監督が使った言語や処理手段は国際化する必要があると思います。たとえば、中国には一つの典故を含む『小鯉の竜門跳ぶ』と言うアニメがありますね、文化の差異のため、外国人には理解できません。何回も相談と検討をして映画のタイトルを『小鯉の冒険物語』に直しました。「冒険物語」と言うタイトルは外国人に受けられる言い方です。

次は、アニメ映画の中で中国観衆と外国観衆に共に理解できる話題を入れるべきだと思います。

『老、小アファンティ』の中に「反テロ」「株券ブーム」「ニセモノ撲滅」などの内容を入れました。これらの世界でも共通の話題は観衆たちの共感を呼び起こすでしょう。

「北京週報日本語版」2007年５月18日