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国際  
ムンバイのテロ攻撃に見る警鐘

 

インド最大の商業都市ムンバイで起きた同時多発テロは世界を震撼させ、この民衆を無残に殺害する行為は再び南アジアないし世界各都市に警鐘を鳴らした。人口密集地で乱暴に起こるテロを未然に防ぎ太刀打ちするのは困難で、反テロ戦の最前線は「強敵」を前にしている。テロ攻撃による硝煙がようやく消えると同時に人々はこの事件が地域や世界に及ぼす影響に関心を向けはじめた。

インド警察当局は事件発生後、テロリストはパキスタンから船で出発したグループだと発表。インドの首相はこの事件が外国と関係があるとした。パキスタン政府は即座にこれを否定、誰も望まない方向に発展するのを避けるためにも結論を急ぐべきではないとインド側に要求した。テロリストがどこから来たのか?テロ攻撃の目的は何か?という疑問は依然として謎のままだ。

テロ攻撃による多大な死傷者およびその影響はインドにとって確かに災難としか言いようがない。インドメディアが大々的に報じるいわゆる「パキスタンとのつながり」も国際社会の焦点となっている。一方、米国の立場や事件がオバマ次期大統領の今後の南アジア戦略に影響すると見る人もいる。現在最も肝心なのはやはりインド政府の対応だ。

南アジアは世界でも反テロの最前線にあたる。「9.11」事件以降、インドではテロ襲撃が何度も起きている。なかでも01年12月13日にインド議会が襲撃に遭い、危機的な状況に陥った。インド政府はこれを企てたのがパキスタン国内の組織だとにらみ、国境に百万の兵隊を派遣。両軍の緊迫した局面に全世界も息を呑んだ。今回もこういった歴史の経験に学ばなければならない。テロリストはムンバイを血に染め、パキスタンの犯行と思わせる証拠を大量に「あっさりと」残していった。この事件の真相をどう究明し、見定めるかはインドの実力者にとって確かに大きな試練だ。

インドとパキスタンが今回の事件で本当に危機的な状況に陥れば、それを喜ぶのはおそらくテロ組織と武装勢力だろう。米メディアが事件の先行きを心配する原因もここにある。オバマ次期政権は現在新たな南アジア戦略の下準備を進めているが、インドとパキスタンが危機ないし衝突に突入すれば米国の計画がくつがえることは間違いない。事件発生後、ブッシュ大統領は直ちにインドの首相と対話し、必ず反テロに協力すると約束。しかしそんなに遠くから火を消し止めることができるのか?インドからすると、国が重傷を負った後に何をどうするかが、政治的にも国際的にも多大な影響をもたらすことになる。

また一部では、ムンバイのテロ攻撃は「基地」などをねらったテロ組織の闘争が深刻な問題に直面しており、テロリストは警戒の行き届いていない箇所を探してねらうか、攻撃の目標をイスラム教徒の少ない国の重点都市に移しているという分析もある。こういった状況は将来的な世界の反テロ闘争にとって新たな難題となるだろう。(作者:上海国際問題研究院南アジア室主任 趙干城)

「人民網日本語版」2008年12月2日

 

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