バイオリン、そして父子の情……。中国のテレビドラマが日本の視聴者の心を揺さぶっている。中日国交正常化35周年を記念して、日本のNHKは中国ドラマ「あなたと共に」を放映。
ある30すぎの女性はこう語った。「人情味にあふれ、毎回感動しました。どの登場人物も、それぞれに違った複雑な問題に直面していて、北京という変革の時代にある大都市で生きるために頑張っている物語は、本当に共鳴させられました」
日本共同社は先ごろ、中国ドラマを紹介する雑誌「中国DRAMA」を初めて発売。企画担当の編集長・丸山幸子氏によると、「あなたと共に」はテーマの素晴らしいドラマで、とくに中高年に人気があるという。
中国ドラマの放送で中国語ブームが再燃。日本朝日中国文化学院は、この夏休みの中国語カリキュラムで、NHKも中国語会話講座でこのドラマを教材に取り上げている。
「韓流」に次いで、この2年近くの間に「華流」という言葉が、日本のメディアに頻繁に登場するようになった。「華流」に火をつけたのが、05年に放送された「流星花園」だ。平均視聴率は10%近く、最高で12%に達した。DVDもオリコンランキングでトップに。
日本で長年にわたり中国文化の紹介と普及に努めてきた日中通信社の社長・張一帆氏は「中国文化が内包するものは底が厚く、それはまた日本文明の源でもある」と指摘。丸山氏も「中国ドラマには深みがあり、心動かされやすい」と話す。
だが、現在の視聴状況から見ると、中国ドラマは当時放送された韓国ドラマほどでないのは明らかだ。張氏は「中国ドラマは、日本のテレビドラマ市場のビジネス運用ルールをあまり熟知していない。日本のテレビ局は、強力なスポンサーのついたドラマを選ぼうとしており、日本市場に参入した韓国ドラマは政府の資金による後押しがあった。また、中国ドラマは依然としてデジタル方式で撮っているが、日本のテレビ局はすでにデジタル化を実現しているため、画面効果にやや差がある」と指摘。丸山氏は「観るドラマは、国によって選ぶのではなく、興味があり感動的な作品であれば、どの国が撮ったものでも、同じように視聴者に認められる」と強調する。
「北京週報日本語版」2007年7月30日 |