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「匠の精神」で中国ブランドに磨きをかける
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· 2016-05-12 |
タグ: ブランド;新常態;政治 | 印刷 |
30年余りの急速な粗放型成長を経て、現在中国経済はすでに「新常態」(ニューノーマル)に入った。経済成長を支える内部条件と外部需要に重大な変化が生じており、中国製造業のローエンドからハイエンドへの転換を推進する必要がある。メーデー休暇の前、筆者が民営企業をいくつか調査してみたところ、多くの事業主が商売の不調について不平をこぼし、また一部業界の生産能力は相対的に過剰だった。だが筆者は、これはまさしく中国ブランド再構築の過程だと考える。今、中国の多くの産業の生産規模は世界で上位に立っているが、大きいだけで強くはなく、製品のランクも全体的に高くない。模倣品と低価格競争に依存する企業は少なくなく、自主的創造力が弱いという問題が際立っている。このため、匠の精神を取り戻すことが呼びかけられている。
「工匠精神(匠の精神)」という言葉は外来のものではなく、中国の伝統文化の色濃い語彙である。本来の意味から見れば、匠の精神はプロの精神のことで、製品を入念に作ることだけでなく、高品質を求め、逸品を作り上げることを表している。
中国の職人はかつて世界的に知られていた。しかし工業化時代の流れ作業と大規模生産が伝統的生産様式に取って代わるに従って、製品の生産が多くの段階に分解され、生産者は製品を完全に独立して作る必要がなくなった。かつてよく聞かれた大工、銅器職人、かじ屋、石工、竹細工師など昔ながらの職人の姿が日常生活から消えつつある。しかし筆者は、中国の伝統的な手工業者の「匠の精神」を捨ててはいけないと考えている。
第一に、消費需要のアップグレードにより匠の精神が求められている。ここ数年、中国の観光客が海外で電気炊飯器、温水洗浄便座、化粧品などを「爆買い」する姿が何度もメディアで報じられ、列に並んでiPHONEの新製品を買うことももう珍しい現象ではない。このような購買力の深刻な海外流出は、「メイドインチャイナ」の短所に対する不満を反映している。
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