中国の古代における木工の名匠・魯班は、各種道具を発明したことで広く知られ、中国の手工業技術や発明、創造の模範とされている。中国の対外職業教育協力機関「魯班工坊」は、その模範に倣い、卓越した技術と高いスキルを備え、その腕を磨き続ける職業的素養と向上するために努力を続けるイノベーションスピリッツを備えた世界の職人育成に力を入れている。（文：楊延・天津市魯班工坊研究・推進センター副主任）

「魯班工坊」を発案した天津市は、率先して実践し、他の国と中国の職業教育スタイルや職業技術を共有し、素養の高いローカライズされた技能技術人材を育成し、中国と海外の教育機構や業界・企業、政府など、多方面との協力を牽引し、「共同建設・共有」という発展の道を歩んできた。

ポルトガルの「魯班工坊」で、ポルトガルの教師・学生にメカトロニクス設備を紹介する中国人教師（写真左、写真提供・ポルトガルの「魯班工坊」）。

2016年3月8日、世界初の「魯班工坊」がタイで発足した。プロジェクト建設は中国とタイ両国の協力ニーズにしっかりと合わせられ、協力の分野は拡大し続けている。国際協力学科の数は1学科から6学科まで増え、全てタイの教育省の認証を得て、国民教育体系にも組み込まれている。その他、「魯班工坊」は英国やエジプト、カンボジアといった20ヶ国以上にも設置され、中等職業学校から、高等職業学校、応用化学科、大学院までの各段階をカバーする国際職業教育体系が形成された。

国際協力の過程で、「魯班工坊」は相手国の産業発展のニーズに順応し、経済と社会の発展において切実に必要とされているローカライズされた技能技術人材を数多く育成してきた。大まかな統計によると、「魯班工坊」設置の過程で、中国は海外と協力して、国際協力学科50学科以上を開発し、協力国のために学歴ある学生約9000人を育成し、協力国の延べ1万8000人を対象にさまざまレベルと種類のトレーニングを展開し、協力国の青年が質の高い就職を実現できるようサポートしてきた。

2023年2月20日、タイの「魯班工坊」でモノのインターネット（IoT）応用技術を学ぶ学生ら（撮影・孫広勇）。

「魯班工坊」の設置により、中国と海外の人的・文化的交流のコンテンツと形式も充実するようになっている。中国と海外の教師や学生の短期相互訪問、交流、国際技能コンテスト共同などを通して、中国と海外の青年や学生、教師間の交流、協力が深化し続けている。

ここ約7年で、「魯班工坊」は相互学習・相互参考に力を注ぎ、協力国の経済と社会の発展にサービスを提供するほか、国際生産能力協力も力強く推し進め、周辺地域への波及も実現し、中国と海外の人的・文化的交流の架け橋を作り、「民心通じ合い」の感動のエピソードを次々と作り出してきた。プロジェクトが発展するにつれて、「魯班工坊」は今後、重要な役割を果たし続け、人類運命共同体構築を促進していくことになるだろう。（編集KN）

「人民網日本語版」2023年5月5日