「司法鑑定という仕事に対して常に厳粛であるべきなのです」と張さんは語る。当事者が提供するカルテはしばしば膨大な量ではあるが、いくら遅くなったとしても、張さんは「今日のことは今日中に済ませる」ことを堅持し、最初から資料を整理し、いかなるディテールも漏らさない。また、わからないことがあれば、彼女はその分野の専門家と連絡し、合同診察を行う。「被鑑定人に診査をしてもらう場合には、理由と必要性を詳しく説明します。前後の鑑定結果が違う場合は必ずその当時の状況に対し、具体的な検査結果を判断の根拠とします。私自身の中で真相が徹底的に明らかになるまで、絶対に鑑定レポートを提出しません」と張さんは言った。
公正な司法を堅持し、半歩でも譲らない
司法鑑定の仕事には責任とリスクが共存し、鑑定人はしっかりとした専門技術がいるほか、公正な司法を貫き通す信念も必要だ。
司法鑑定人の仕事に就いて以来、張さんはコネを使って不正をそそのかす当事者にあったこともあれば、鑑定結果を変えるように脅かされたり、家まで尾行されたりしたこともあるが、彼女は一度として動揺したことがない。「いかなる脅しや誘惑があっても、私は絶対に譲りません。鑑定結果を変えてほしいというのは私の仕事に対する冒涜です」と張さんは語った。そして張さんは続けて、「私は被鑑定人にもよくこういうふうに言っています。『相手がコネを使って、不正な手口を用いるのではないかなんて思わないでください。知り合いのために自分のキャリアを台無しにする司法鑑定人は1人もいません』」と言った。
新しい年に向けて、張さんは一言で自らの仕事への期待を表した。「ミスを起こさない」。これはすべての司法鑑定人の職業倫理であり、永遠の求めでもあるだろう。
「北京週報日本語版」2020年1月9日