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「国境なき医師団」で活躍する北京出身の産婦人科医
  ·   2016-12-07  ·  ソース:
タグ: 女性;中国人医師;社会
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11月下旬、『仕事を辞めてアフガニスタンに行った北京人女性、爆撃と銃声の中で新生児を取り上げる』という動画が大量に転送され、「国境なき医師団」で活躍する中国人医師が注目を浴びた。現在、中国大陸部で「国境なき医師団」に参加している医師は28人。安娜さんはそのうちの1人だ。

安娜さんは1982年生まれ。北京出身で、北京大学医学部臨床医学部を卒業した。北京大学医院の各診察科・室をまわって5年間働いた後、北京腫瘤医院に入り、婦人科の医者になった。2011年、「国境なき医師団」に参加。2011年から2015年にかけて、シェラレオネ、ソマリランド(ソマリア)、パキスタン、アフガニスタンで、現地医療プロジェクトの産婦人科医師となり、産科の重体患者に対する緊急措置と治療に携わった。

適応に半月かかった最初の派遣 

2010年、安娜さんがネットで人道救援組織の情報を調べてみたところ、最初に出てきたのが「国境なき医師団」だった。その中立的で偏りのない原則とすべての人を平等に扱うという観念に非常に賛同した彼女は、その場ですぐ申請書を書き、それから香港へ面接に行った。3カ月後に採用されたと分かった時は、非常にうれしかったという。

安娜さんが最初に派遣されたのは2011年3月。西アフリカのシェラレオネで6カ月間任務に就いた。シェラレオネは人口600万人だが、資格を持った医師は300人前後しかおらず、しかもその半数は国外にいた。ボー(シェラレオネ第2の都市)には2つしか病院がなく、医療スタッフは極めて不足し、医療設備も少なかった。安娜さんのいた病院にも手術室は1つだけで、もう1つの病院には医師が1人しかいなかった。

安娜さんは主に妊産婦を診察していたという。現地では、女性の最も重要な「機能」は出産であり、子供は多ければ多いほどよいとされる。しかし現地の妊婦たちは妊婦健診を受けておらず、子どもを取り上げるのも家などで産婆が行っており、前置胎盤や子宮破裂といった本当に緊急の事態にならないと病院に運ばれてこなかった。従って安娜さんが診察するのは大部分が重体患者だった。

安娜さんは当時をこう振り返る。「最初の頃は、1人で当直の時にそういう患者を診察するのは大きなプレッシャーでした。ある時夜勤で、重体の妊婦が5人次々に運ばれてきたことがありました。全員緊急手術が必要で、夜11時から翌日午前8時までずっと手術をし続けました。手術室から出て来た後は、すっかり疲れて、気がぼうっとしました。でも新しい命がこの世に誕生し、赤ちゃんを抱いた時は、力を与えてもらったと感じ、うれしくてほっとしました」。

安娜さんは言う。「自分では適応能力が強いタイプだと思っていたけれど、それでもうまく適応できるまで半月かかりました。3月に到着した時、ボーはちょうど乾季の終わりで、毎日摂氏40度以上まで気温が上がるんです。夜勤が終わり帰宅して寝ると、翌日は暑さで目を覚ましました。起き上がるとベッドに身体の形の汗の跡がはっきりついていましたよ」。

ソマリランドではハエの数が患者の病状のバロメーター 

2012年、安娜さんはソマリランド第2の都市ブラオに赴任した。その後、アフガニスタンとパキスタンにそれぞれ3~4回派遣された。

安娜さんは、「私の側にはいつもハエがついていてくれました。感動的ですよね」と笑う。「想像を絶するハエの数です。熱帯のハエは飛ぶのがとても遅くて、身体の敏感な部分によく止まるんです。ハエの数を見れば、その患者の病状がどのくらい深刻か分かります。一般的に、1人の患者の身体に30匹以上のハエが止まっていたら、それは重篤だというサインなんです」。

「仕事は確かにしんどい。でも自分の仕事をより肯定できる」 

「どのくらいの期間に1回派遣されるのか?派遣場所はどうやって決まるのか?」という記者の質問に、安娜さんは次のように答えた。「双方の選択で決まります。『国境なき医師団』は援助が必要な国と具体的なスケジュールを公表し、人を手配します。自分から責任者に行程と期間を申し出ることもできます。もし派遣地に適応できなければ、いつ帰国したいと言っても構いません」。

安娜さんは、「両親も医師ですが、この件については何も言われませんでした。夫は香港に面接に行く時の航空券を買ってくれましたよ。あの頃は子供もまだ2歳になっていませんでした。みんな私の安全を心配していますが、それにも増して理解と寛容の気持ちで接してくれています」と話す。

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