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『新疆物語』に反響 「新疆理解に価値のある書」
繆暁陽  ·   2015-08-31  ·  ソース:北京週報
タグ: 新疆物語;創価学会;新疆
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日本図書館協会選定図書、日本僑報社の話題の新刊『新疆物語―絵本でめぐるシルクロード―』(王麒誠著、本田朋子訳)に対してこのほど、創価学会参議で北京大学日本研究センター客員研究員の三津木俊幸氏より「読後感」が寄せられた。

同書は、知られざる新疆の魅力を、楽しいイラストとわかりやすい解説で紹介した、中国ベストセラーの初日本語版。

三津木氏は、自身も仕事で数回訪問しているという新疆の魅力――悠久の歴史や雄大な自然、新疆を舞台に詠まれた中国盛唐期の詩人・王維の詩などに触れつつ、本書について「著名な中国の漫画家王麒誠氏がイラストエツセイでわかりやすく紹介している。新疆を訪問した人には、懐かしい思い出であり、これから訪問する人には、夢とロマンを彷彿させる内容であり、大いに旅行計画の手引きとなるものである」と紹介している。

その上で、「中国の中でも、新疆を訪問される方はまだ少ないようだが、この書は中国ではベストセラーであると聞く。その意味で、中国の人にとっても、世界の人にとっても、新疆に触れる良い機会であり、新疆が理解されるためにも充分価値のある書であろう」と高く評価し、推薦している。

三津木氏による『新疆物語』読後感は次の通りである。

イギリスの著名な歴史学者のアーノルド・トインビー氏は、創価学会の池田会長(当時)との対談集(21世紀への対話)の中で、池田会長の「もし、トインビーさんが生まれ変わることが出来るとすれば、世界のどこの国に生まれてきたいと思いますか」という質問に対し、即座に「中国の新疆地方です」と答えられている。

中国・北京大学の元副学長・季羨林(哲学者)は本著の中で、「シルクロードは悠久の歴史があり、範囲が広く自らが体系をなし影響が奥深い文化体系は世界には4つしかない。それは、中国、インド、ギリシャ、イスラムで、この4つの文化体系が合流する場所はただ一つ。それが中国の新疆地区である」と紹介されている。

私も仕事を通じ、新疆を数回訪問しているが、中国の6分の1を占め、広大な面積を持つ地域の一部しか経験できていない。本書では、著名な中国の漫画家王麒誠氏がイラストエツセイでわかりやすく新疆を紹介している。新疆を訪問した人には、懐かしい思い出であり、これから訪問する人には、夢とロマンを彷彿させる内容であり、大いに旅行計画の手引きとなるものである。

今日の新疆になるまでには、さまざまな戦乱を経て1949年、9月25日に平和的に解放され、王震将軍(後の中日友好協会名誉会長)が進駐。1955年10月1日に新疆ウイグル自治区が成立し、新疆の歴史的発展の幕が開かれた。この間の主な民族の盛衰をやさしく漫画で解説し、新疆を理解しやすいようになっている。

新疆には風光明媚な自然、ハミ瓜、ぶどう、シシカバブ、シルクロードの遺跡、移民族の交流にあふれた内容がある。孫悟空でもおなじみの「火焰山」の地表温度70度以上でゆで卵ができる暑さ、尽きることの無い「塩湖」ホータンの玉、北新疆の「カナス湖」の神秘。アルタイ山脈、天山山脈、崑崙山脈等の見下ろす狭間には、厳然と歴史が刻まれている。

唐代にトルファン地域の安西に都を守る塞が築かれた。王維はその詩「送元二使安西」で、西域の護りに赴任する友人の元二を送別して「西出陽関無故人」と詠んでいる。陽関から先に広がる茫々たるゴビ砂漠を歩いて赴任する友人を送る惜別の情に心打たれる。

中国の中でも、新疆を訪問される方はまだ少ないようだが、この書は中国ではベストセラーであると聞く。その意味で、中国の人にとっても、世界の人にとっても、新疆に触れる良い機会であり、新疆が理解されるためにも充分価値のある書であろう。

(以上は、三津木氏による読後感を一部編集したものです)

「北京週報日本語版」2015年8月31日

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