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日中国交正常化50年、省察の秋に
文=木村知義  ·   2022-08-05  ·  ソース:人民中国
タグ: 中日関係;国交正常化;中日交流
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つくられた「台湾有事」の背後で進む変容 

なぜこの原則の再確認、復習が重要かと言えば、喧しく語られる「台湾有事」問題があるからです。 

ここで詳細に触れる紙幅の余裕がないのですが、経緯を冷静に見据えれば、一連の「台湾有事」論はまさしく「つくられた危機」論であることは明らかです。しかし、7月下旬に出た「防衛白書」では中国を「安全保障上の強い懸念」とするとともに、台湾に関する記述を昨年に比べて倍増し「台湾有事」を前提に「国際社会と連携しつつ、関連動向を一層の緊張感を持って注視していく」としました。また、対台湾窓口機関への防衛省職員の派遣や「台湾有事」を念頭に置いた統合司令部の創設検討という動きまで報じられる状況となっています。さらに今、日本の防衛予算の倍増がタイムテーブルに上り、「敵基地攻撃能力」の必要性が力説され、年末までをめどに外交・安全保障政策の根幹である「戦略3文書」(「国家安全保障戦略」「防衛計画の大綱」「中期防衛力整備計画」)の改定が進められています。日米同盟が「対中国軍事同盟」への変容の色を濃くしながら、日本が米国とともに「中国抑止」正確に言えば「中国敵視」の道を一段と加速するという、日本にとって大きな歴史的「転換点」に差しかかっているということです。「台湾有事」論は、これらの動きのすべてを集約、象徴するものとしてあることを忘れてはならないのです。 

歴史を後戻りさせてはならない省察の秋

魯迅に「『フェアプレイ』はまだ早い」という作品があります。書かれた時代背景を置いて少し荒っぽいもの言いですが、「相手がフェアプレイする保証がない状況ではフェアプレイなどしても意味がない」ということになると思います。幾多の困難をのりこえてたどり着いた日中国交正常化とは、日本と中国双方のまさに「小異を残して大同につく」という大義の共有によって、さらには、政治的信義があれば困難や懸念も乗り越えられるはずだという政治決断によって、「フェアプレイはまだ早い」という状況を変え、転換することで成し遂げられたと言っても過言ではないでしょう。であるならば、私たちは、何があっても「フェアプレイはまだ早い」というところに歴史を後戻りさせてはならないのです。ですから国交正常化に際して双方で確認した原則を守ることが何にもまして大事になるのです。 

国交正常化「50周年」と向き合うとは、現在の日本のありようを変えていく営みでもあることを知らなければなりません。そして、日本と中国が手を携えてアジアのみならず世界の平和構築に向けての道を模索、構想すべき時にわれわれは立っていることを共通認識にしなければならないと痛切に思うのです。 

これが「省察の秋(とき)」の重い意味だということを、読者のみなさんと共に胸に刻んでおきたいと考えます。

人民中国インターネット版 2022年8月5日

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