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中国の変化を象徴するサービス業
本誌記者・植野友和  ·   2022-06-27  ·  ソース:北京週報
タグ: サービス業;消費;中日交流
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急速な経済発展に伴い、中国ではここ10年の間にさまざまな変化が起きた。対外開放、技術革新、EC産業の発展など挙げていけばきりがないが、その中で何か一つ印象に残るものを選べと言われれば、自分は迷わずサービス業の進化と答える。それほどまでに中国の第三次産業は大きく様変わりを遂げた。特にサービスの質が過去とは全く別物と言ってもいいほどに向上したのである。

自分もかつて学生の頃、バイトをいろいろと体験しているので分かるのだが、良いサービスを提供するのは働く側にとって大変なことだ。疲れていても笑顔でいらっしゃいませと言い、どれほど態度の悪い客にも丁寧に対応する。仕事のありとあらゆる場面で客に不快な思いをさせないよう、気持ちを張り詰めていなければならない。日本では求められるサービスの基準が高い分、提供する側のプレッシャーも極めて大きい。当然、あまりの大変さに辞めてしまう人も多く、日本の一部サービス業では慢性的な人手不足が続いている。

筆者が暮らす中国は現在、成長における消費の役割がますます大きくなっている。ある報告では2025年に国内総生産(GDP)に占める第三次産業の割合が60%を突破すると見込まれている。サービス業はまさしく中国経済をけん引する存在で、その流れを後押しするかのように消費者が求めるサービスの質は高まる一方、サービスを提供する側の競争も激化している。「売ってやっている」「サービスしてあげている」という態度では市場で生き残ることはできず、各企業は自然とサービス向上に務めることとなる。

このような変化を象徴するのが中国の火鍋チェーン店「海底捞」だろう。筆者の親友の言葉を借りれば、「ハイレベルなサービスによって他店と差別化し、顧客のニーズをつかんだ成功例」。入店待ちの間にはスパやマッサージのサービスがあり、スタッフの丁寧な接客は日本でもなかなかお目にかかれないレベルである。味や値段だけ見れば他にもオススメの火鍋屋はあるのだが、サービスの満足感でつい通ってしまう。今や中国全土にチェーン展開するまでになった「海底捞」は、間違いなく他のさまざまな企業に大きな影響を与えている。消費が経済を動かす今、皆にサービスの重要性を改めて気づかせたのだ。

さて、中国におけるサービスの質の向上は、何も飲食業だけの話ではない。また、従業員や企業の努力だけでなく、中国が得意とする最先端テクノロジーの応用もサービス向上に寄与している。さらに言えば、社会実装型のイノベーションにより、中国では新たな形態のサービス業が続々と誕生し、人々に利便性をもたらしている。

最も分かりやすい事例としては、EC産業の発展が挙げられる。かつて中国で顔が見えない相手から物を買うこと、すなわち通販はそれなりに勇気がいったものである。写真と異なる物が届いたり、はたまた永遠に届かなかったりーーそういうリスクはゼロとまではいかないが、現在はまず心配せずともよくなった。アプリ上に評価システムがあるため、悪質な業者はおのずと排除されるのである。

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