中国人民銀行金融市場司の鄒瀾司長によれば、「全体的に見て、不動産市場は新型肺炎が最も深刻だった頃に比較的大きな影響を受けており、現在は基本的に新型肺炎発生前の状態に回復した」という。

近年、「住宅は住むものであって、投機売買するものではない」という原則にのっとり、各地で都市ごとの不動産事情に即した政策を行う管理・調整メカニズムを実施し、不動産市場を安定させている。住宅価格の安定傾向に伴って住民の消費水準が向上し、住宅購入による生活改善は一部の家庭にとって消費の選択肢となっている。

旅行や映画鑑賞などの文化・観光市場の回復

大の旅行好きである劉さんはすでに半年遠出をしていない。彼女はもともと今年前半に国内、後半には海外へ１回ずつ旅行に行く計画を立てていたが、新型肺炎で予定が狂ってしまった。

「今年前半はずっと我慢しましたが、ここ数日で省を跨ぐ旅行が再び可能になり、北京市の突発的公衆衛生事件への緊急対応レベルが２級から３級に引き下げられたので、今年後半は国内旅行を楽しもうと思っています」と劉さんは語った。

６月、中国東方航空は「週末乗り放題プラン」を打ち出した。これは３３２２元で購入すると、今年１２月３１日までの週末に空席があればいつでも香港・澳門（マカオ）・台湾地区を除くすべての国内線のエコノミー席に乗れるというものだ。この商品が売り出されるやいなや大きな反響があり、プラン購入者が最初の週末に得た航空券は６万５０００枚を超えた。海南航空、春秋航空、吉祥航空、華夏航空なども続けざまに同様の商品を販売し、数多くの消費者を引き付けている。

このほか、前出の中国人民銀行の調査報告によれば、１６．７％の人が「交際・文化・娯楽」の消費支出が増えると回答している。

消費意欲の高まりは経済全体に対する人々の自信がより強まっていることを反映するものだ。中国経済が引き続き好転していくに従い、人々の経済への期待はより前向きかつ楽観的になり、消費支出も増加傾向にある。このことは中国経済の発展に息の長い原動力をもたらすだろう。 

「北京週報日本語版」2020年7月30日