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日本経済成長はのろのろペースの「スロージョギング」
蘇海河  ·   2017-08-18  ·  ソース:
タグ: 経済成長;日本;経済
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日本の内閣府が先ごろ発表した今年第2四半期の経済速報値によると、日本のGDPは物価変動を除いた実質で前の四半期と比べ1%増加し、このペースが1年間続くと仮定して換算した年換算成長率は4%に達し、6四半期連続でプラス成長となった。同時期に日経QUICKがまとめた民間予測平均は第2四半期が0.6%増、年換算成長率は2.4%だった。この1年輸出が経済成長を牽引したことに加え、個人消費と設備投資の経済成長貢献効果が顕著だった。しかし、この勢いを継続できるかどうかには注目が集まっている。

内閣府のデータによると、個人消費は0.9%増で、6四半期連続でプラス成長し、伸び幅は2014年増税前の四半期の消費水準に達した。消費サイクルでは、2008年の世界金融危機後に日本が実施したエコ家電普及促進政策で販売が刺激されたエアコン、エコカー減税期間に購入した自動車などの耐久消費財が買い替え時期に入り、新型自動車も消費の増加を促進した。設備投資が2.4%増加したのは、一つには世界経済が回復し、輸出増に牽引されて日本の製造業が設備を増やし、生産能力を拡大し始めたからだ。二つ目の要因は、労働人口減少による人手不足に対応するために、製造業が産業用ロボットなど自動化生産設備への投資を始めたことで、特に半導体や自動車などの分野で設備投資の増加が著しかった。公共投資は5.1%増加した。これは主に昨年秋の経済対策など3兆2000億円強の補正予算が投じられたためである。

経済成長を見てみると、6四半期連続のプラス成長は日本の戦後あまり例がない。しかし今回の景気回復のスピードは明らかに1960年代の高度成長期や、1980年代のバブル経済期に及ばない。日本の実質経済成長力を示す潜在成長率も1%しかない。これまでは3~4四半期プラス成長が続くと調整期が入っていたが、今は低成長期であるため調整期もそれに応じて長くなっている。日本の現在の経済成長状態はのろのろペースの「スロージョギング」と形容するほうが適していると思われる。  

世界の経済環境を見ると、米国経済は依然として拡張期にあり、欧州経済はイギリスのEU離脱という不確実性の中でもほぼ安定した動きを見せており、第2四半期の米国と欧州のGDP成長率はいずれも2%を超えた。中国をはじめとするアジア市場は昨年下半期以降安定した成長傾向を示しており、中国は成長率6.9%を保ち、依然として世界経済の主要なエンジンとなっている。世界全体の環境は日本の輸出に有利で、日本の輸出は5四半期連続して成長傾向を保ってきた。同時に、原油や天然ガスなど国際エネルギー価格は依然として低い水準にあり、エネルギー資源をほぼ輸入に頼っている日本にとっては天が与えてくれた好機だと言える。しかし好調な輸出入を持続できるかどうかは、世界経済と国際貿易が引き続き回復するかどうか次第だ。

日本経済の現状は枕を高くして眠れるようなものではないという分析もある。ニッセイ基礎研究所研究員の斎藤太郎氏は次のように指摘する。世帯所得から税金や社会保険料を差し引き後の可処分所得は楽観できるものではない。2017年度の日本の給与は前年度より1.1%増えたが、社会保険料の増加が世帯可処分所得を圧迫し、世帯可処分所得はわずか0.5%しか増えなかった。そのため、個人消費の大幅な増加は望めない。また、日本の雇用情勢が好転し、売り手市場環境下で本来であれば給与を引き上げなければならないにもかかわらず、一部の製造業企業は自動化生産設備に投資し、給与引き上げ圧力を緩和した。一部の大型企業はここ数年十分な利益を上げていながら、利益を内部留保している。報道によると、金融と保険を除く大企業が帳簿上寝かせている内部留保資金は400兆円近くに上る。日本政府は企業に投資支出を増やすことを奨励しているが、効果は上がっていない。もしこうした状況が続けば、日本の経済成長は長く続かないだろう。

注意すべきは、東京都議会選挙と仙台市長選挙で自民党が敗れた後、安倍晋三首相が8月初めに内閣を改造し、「経済最優先」の方針を打ち出したことだ。今まで、日本政府は経済発展の看板を掲げて、集団的自衛権の範囲拡大、新安保法成立、テロ等準備罪方案の強行採決、ひいては憲法改正打ち出しといった一連の政治行動を取ってきた。こうした措置は野党から「選挙の時には経済重視と言っておきながら、政権を握ると政治をやる」と批判されている。安倍政権の政策目標は2020年にGDP600兆円を達成することだが、それには年間成長率が3%に達する必要がある。次に安倍首相がどのように経済の舵取りをするのかが注目されている。

「北京週報日本語版」2017年8月18日

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