趨勢：雨天の後の虹

改革によって強い原動力が生まれれば、発展モデル転換・アップグレードは強い刺激策に頼らなくてもいい。往々にして、伝統的経済統計で使われる総量指標項目よりも、一部の構造変化のほうが発展モデル転換期の特徴と趨勢をうまく説明できる。

国家統計局工業司チーフ・スタティスティシャンの江源氏は次のように説明する。現在、中国の経済構造調整は引き続き進展しており、ハイテク製造業の成長が加速し、工業発展モデル転換・アップグレードを支えるハイエンドで細分化された業界は依然として比較的速い成長を見せ、消費アップグレード方向に適した一部の新興製品が急成長している。例えば、４月の中国医薬製造業の成長率は１０.７％、航空・宇宙船及び設備製造の成長率は２８.６％、工業用ロボットの成長率は１６.５％、光電子デバイスの成長率は１６.３％だった。

ミクロ的に見ると、中国経済の「雨天の後の虹」へと成長する新たな組織も増えてきている。例えば、螞蟻金融服務集団（アント・ファイナンシャル）傘下の「支付宝」（アリペイ）は、小規模企業や一般大衆に便利な金融サービスを提供することで、急速に拡大した。「支付宝」に代表される中国の第三者決済はシティバンクから「もう１つの銀行システム」と呼ばれ、現在では約２００の国と地域をカバーし、海外ユーザーは２２００万を超えている。

牛犁氏はこう指摘する。「将来的に、中国経済の発展モデル転換の重点は、困難があるたびに政策刺激に頼ろうとするのではなく、具体的な改革措置をすばやく打ち出し、それを果断に実行することに置かれるだろう。喜ばしいことに、今年の第１四半期経済成長率は６.７％で、年間成長率達成に向けていいベースができた。所期の成長目標を達成する自信も高まっている」。

（ソース： 人民日報海外版）

「北京週報日本語版」2016年5月17日