王衍行(中国人民大学重陽金融研究院高級研究員)
金融と経済は共存共生の関係にある。米国に次ぐ世界第2の経済体である中国は、過去4年間の世界経済成長に対する貢献度が4分の1を超え、経済総量は全世界の約13.4%を占めた。それと同時に、中国は「十二五」(第12次五カ年計画)期間に金融大国の地位を固め、金融業は規模、効率、国際化などの面で目覚しい進歩を遂げた。金融強国を目指すという「十三五」(第13次五カ年計画)の目標設定は時宜に適っている。
内部管理グレードアップの過程で、中国金融業は「治国理政」(国政運営)の有益な成果を分かち合った。特に「依法治国」(法による国家統治)、「三厳三実」(「三厳」――修身・権限使用・己を律する上で厳しくあるべき、「三実」――仕事に対する取り組み方・創業がそれぞれ実際に即し、人としてのあり方が誠実であるべきという要求)実行などの面で、絶えず洗礼を受け、より高いレベルに昇華してきた。特筆すべきは、中国政府が一連の措置を講じて株式市場のパニック心理を抑制し、システミック・リスクの発生を防いだことだ。起こりえたシステミック・リスクを防いだことで、中国の金融業もチームを鍛え、組織を浄化し、経験を積んだと同時に、責任を負う大国のイメージを世界の金融界に示した。
中国の党と政府、金融監督管理当局及び金融機関が「十二五」期間に示した実力と水準、責任とそれを引き受ける覚悟、専門性と展望性は、「十三五」期間の金融発展のために基礎を定めた。中国金融業は「経済成長の質と効率及び持続可能性をより重視する」という点で共通認識に達しており、しかもこの共通認識を巡って発展戦略を調整し、発展戦略に基づいて人材を集めている。
中国金融業は人材面ですでに挑戦を迎える準備が整ったとはいえ、国際的に比較してみれば、転換期にある経済体の金融体系改革が必然的に数々の難関に直面することは容易に分かる。強力な措置を講じず、時機をとらえて即断することなく、財務の不健全性などの問題を解決しなければ、金融体系を存続させるのは困難だ。