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中国における時代の変遷反映した思い出の品「配給券」
  ·   2018-11-29  ·  ソース:北京週報
タグ: 博物館;配給券;文化
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長い歴史において、時代ごとにそれぞれ鮮明な特徴というものがあるものだ。中国で数十年前に使用されていた食用油や穀物、布といった生活物資の「配給券」は、今では多くの人々にとって共通した思い出となっている。配給券は、いわば当時の人々の生活の一部であり、つらいことも楽しいこともあった当時を象徴する思い出の品。近年、中国では民間の博物館が次々登場し、個人のコレクションを、多くの人が鑑賞できるようになっている。中国の歴史文化においても有名な広西壮(チワン)族自治区柳州市でも以前は1館も無かったが、今ではこうした民間博物館が37館もある。

柳州市のある2階建ての個人所有の建物には同自治区に最初に誕生した民間博物館である「柳州市配給券博物館」がある。約100平方メートルの展示ホールには、穀物や食用油、肉、布などの配給券が展示され、中国の「配給券時代」を紹介している。

同博物館の李広智館長によると、これらの配給券は父親の李三台さんが1980年代頃から集め始めたもので、コレクションはおよそ3万枚に達しているという。李三台さんは生前、配給券の収集に熱心で、およそ300万元(1元は約16.3円)かけて中国の大半の地域に足を運んだという。

中国の配給券の歴史を一人でも多くの人に知ってもらい、配給券文化を伝えようと、李三台さんは2003年12月、自宅にコレクション館を建て、無料で一般公開した。そして、10年8月には、同自治区文化庁が同館を「柳州市配給券博物館」として認可を与え、現在までの15年間で、延べ20万人がこの博物館を訪れている。

柳州市には、個人のコレクターがそのコレクションを一般公開する「博物館」が他にもたくさんある。11年、柳州市は、プロジェクト「博物館群建設」を始動した。同市は関連政策を打ち出して、資金、土地、財政・税収などの面でサポートを行い、民間博物館の発展を促進している。柳州市文化新聞出版広電局の統計によると、現時点で同市には博物館が58館あり、うち37館が民間博物館で、全て無料で開放されている。

国家文物(文化財)局の統計によると、11年末から16年末の5年間で、中国の非国有博物館は456館から1297館に増え、博物館の総数に占める割合は13.3%から26.6%に上昇した。

柳州市博物館理事会連合会の輪番会長・鐘州寧氏は、「民間博物館が急速に発展しているのは、経済が急速に発展し、政府がサポート、奨励しているほか、一般の人々の博物館の精神や文化に対するニーズも高まっているから」と分析する。

個人のコレクションを博物館というプラットホームを通して、一人で楽しむものからみんなで楽しめるようになることはいいことであるものの、難しい局面にも直面している。14年、鐘氏は、柳州市で駱越博物館を立ち上げた際、「限りあるスペースに数千点のコレクションを展示することはできないため、定期的に展示品を入れ替えるしかない」という。ここ数年、博物館運営のために年間平均90万元を必要としており、「元手でなんとかやりくりしている」という。

李さんも同様の戸惑いを感じているといい、「博物館は公益性のもので、利益を上げるメカニズムが整っていない。今の資金では現状を維持することしかできない。父親のコレクションの90%は、今も公開できていない。展示のレベルを向上させるためには、もっとたくさんの資金が必要」と話す。

鐘氏は、「ほとんどの民間博物館はまだ、模索の段階で、所蔵品の管理や展示レベル、運営メカニズムなどを改善しなければならない。長期にわたり、健全に発展するためには、各方面が共に努力しなければならない」と指摘する。(編集KN)

「人民網日本語版」2018年11月28日

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