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中国の「ノアの方舟」、国家遺伝子バンクが始動
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· 2016-09-23 |
タグ: 遺伝子;バイオ情報;文化 | 印刷 |
西洋の神話に、ノアが方舟を作り、様々な家畜や鳥類などを乗せて大洪水から逃れ、「世界の終末」を無事にやり過ごしたという話がある。
一粒の種子、一つの細胞、試験管一本分の血液、一口分の唾液、一つながりのデオキシリボ核酸(DNA)、一行のデータ……こうした目立たない「現在」が、未来のバイオテクノロジーと産業を築くための材料になるかもしれない。
9月22日から深圳で稼動を開始した国家遺伝子バンクはまさに「現在を残し、未来を創る」という使命を帯びて誕生した。中国に、人類とその他生物の遺伝試料と遺伝暗号を保管する「ノアの方舟」ができたのである。
国家遺伝子バンクとは何か?
遺伝資源を効果的に保護・開発・利用し、中国の生命科学研究とバイオ産業の発展レベルを高め、国家のバイオ情報の安全を守り、世界の生命科学発展の一助となる。これが中国で唯一の国家遺伝子バンクの位置づけだ。
国家遺伝子バンクは中国南部の広東省深圳市にある。国家遺伝子バンクの梅永紅主任によると、米国、EU、日本にある三大世界クラス遺伝子バンクとは異なり、中国国家遺伝子バンクはデータバンクであるだけでなく、世界の既存生物の試料バンク、データバンク、生物多様性バンク、疾病バンクなどを総合したアップグレード版だ。国家遺伝子バンクは、動物資源、植物資源、微生物資源、海洋資源などを含めた生物生体バンクも導入している。
現在、国家遺伝子バンクには生物試料が1000万件保管されている。また、遺伝子情報データと試料採集、保管、管理に関連する基準と技術規範がひとまず確立しており、『ネイチャー』『サイエンス』『セル』など有名科学雑誌で30数篇の論文を発表している。
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