将来に向け可能性与える
経済のグローバル化が人々の利益を相互に融合させた時、「人類運命共同体」の構築は、70億人に共同発展に向かう可能性を与えた。現在の世界では、世界全体の商品輸出総額は20兆㌦規模となっており、これは米国の国内総生産(GDP)よりさらに大きい。一機のB747旅客機を組み立てる1万個以上のパーツには、中国、シンガポール、韓国など世界各国の多くのメーカーが必要となっている。世界経済は早くからすでに一国の独占状態を抜け出し、切り離すことのできない総体となっている。「人類運命共同体」の構築は、まさに利益の基礎を見つけ出し、共同発展によってより多くの人々が素晴らしい未来を共有できるようにするためのものだ。
社会の情報化が国際社会全体の安危を共にさせた時、「人類運命共同体」の構築は、この世界に持続的繁栄に向かう可能性を与えた。今年、世界のネットユーザー数は総人口の半数に近づいており、インターネットをシンボルとする情報化時代にあって、人類の連絡密度は空前の速度でピークに向かって進んでいる。「人類運命共同体」の構築は、技術を支点とし、世界各地の人々を極めて親密にすることができる。
世界の多極化が国家関係の興廃を密接に連動させた時、「人類運命共同体」の構築は、200余の国・地域に永続的な平和に向かう可能性を与えた。20カ国財相・中央銀行総裁会議(G20)はすでに主要国首脳会議(G8)に取って代わり、世界経済管理の主要なプラットホームとなっている。ますます多くの国際問題の処理が各国の共同参与で行われるようになり、多くの途上国が自らの発展の道を迅速に前進するようになり、世界の発展モデルの多様化を客観的に実現している。「人類運命共同体」の構築は、まさに均衡点を見つけ出すために、新たな時代に国際社会の政治的相互信頼、調和と共存を達成するものだ。
「四つの必ず堅持」を提起
1961年、旧ソ連の宇宙飛行士ガガーリンは最初の宇宙飛行を行った人物になった。彼は宇宙から見た地球について次のように述べている。「私は大陸、島しょ、川の流れ、ダム、大地の輪郭などをはっきり見分けることができる……淡い青のコロナが地球を包み、黒い空と融け合って一つになっている」。ガガーリンの視覚は、まさに一つの暗喩である。人類は個人、国家、民族を超越でき、制度、観念、信仰を超越でき、より広々とした世界を抱きしめることができるのだ。
いかに「素晴らしい世界」を建設するか? ある人は「覇権安定論」を提起し、万能のスーパー大国を作り出して国際問題を処理すべきだと主張する。ある人は「グローバル・ガバナンス論」を提起し、各国が主権を弱め、共同の規則を制定して国際問題の処理を統率することを主張する。またある人は「ユニバーサル・バリュー論」を提起し、自らが「先進的」と考えるある種の価値観と社会制度を広めて世界を統一することを主張する。
しかしながら、これらの理論がもたらしたものは、近年の経済低迷、地域情勢の不安定、テロ危機、文明摩擦であり、人類は「秩序を失った世界」に入っていると驚き叫ぶ欧米の研究者もいるほどだ。
実際には、国連憲章の前文にはすでに「素晴らしい世界」建設についての方向が示されている。基本的人権と人間の尊厳の保護のため、各国は「寛容を実行し、善隣の道を歩み、平和的に交流」すべきであり、これが人類平和の種であり、新たな秩序構築のために守り従うべき原則である。
「弱肉強食というジャングルの掟は人類共存の道ではない。武力の濫用や強権政治、覇権主義は人類の平和の計ではない。勝者総取りやゼロサムゲームは人類発展の道ではない。戦争ではなく平和、対抗ではなく協力、ゼロサムではなくウインウインこそが、人類社会の平和、進歩、発展の永遠のテーマなのだ」と、習近平主席はスピーチの中で繰り返し中国からの思索を述べている。
今年3月、習主席はボアオ・アジアフォーラムでの講演の中で、「運命共同体」に向かって進む「四つの必ず堅持」を提起した。各国の相互尊重、平等な対応を必ず堅持する。協力・ウインウイン、共同発展を必ず堅持する。共同、総合、協力、持続可能な安全を必ず堅持する。異なる文明を取り込み、交流と相互学習を必ず堅持するという四つだ。「平等、協力、発展、交流」、これら高頻度で登場する言葉は、世界に中国が「人類運命共同体」を実現するために所持する立場を表している。
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