トヨタの1月から3月の販売台数も、7カ月続けて伸び続けた。同社は、この主要因は、新車発売と比較的最近に発売された車種の利益によるものだとしている。だが、その一方で、旧モデルの販売は伸び悩んでおり、販売全体の足かせとなっている。これが原因で、トヨタは第1四半期の販売台数が下落した唯一の日系ブランドとなり、3月の販売がさらに落ち込んだ。トヨタ中国の広報担当・横井孝徳氏は、「3月の販売が大きく落ち込んだのは、新型カローラとレビンは好調だったものの、RAV4とヴィオスが良くなかったのが原因だ。データによると、今年3月、ヴィオスの販売は前年同期比マイナス55%と激減、RAV4は40%、カムリも20%、それぞれ落ち込んだ。これらの落ち込みは、販売店の値下げ合戦など、市場競争がさらに激化したことが原因とみられる。たとえば、ホンダCR―Vは、同じSUV市場のトヨタRAV4に脅威をもたらし、RAV4の一部市場シェアを根こそぎ奪ってしまった」と指摘した。
だが、ホンダCR―VとトヨタRAV4は、実際には、「苦難を分け合った」同士と言える。かつて長い間、SUV市場で勢力をほしいままにし、値上げをしても売れたホンダCR―Vは、発売当初の状況はトヨタRAV4と同じように絶好調だった。しかし、新モデル発売後は、見た目や競争圧力などの原因で、好調な販売実績を維持できなくなった。特に、昨年後半に入ると、東風ホンダCR―Vの販売はさらに落ち込み、「腰折れ」現象があちこちで見られた。
某日系車販売店は、「多くの新車は持てはやされ、販売は眼に見えて増加した。だが、それも、旧型車の販売不振による穴を埋める役割を果たすだけに過ぎなかった」と正直に語った。
〇ターボチャージャー搭載でSUV分野に切り札投入
ここ数年、中国自動車市場の成長スピードは減速傾向にあり、販売が低迷している日系ブランドは、苦境から脱出しづらい状況にある。だが、多くの専門家は、政治的要因や市場変化を度外視しても、ここ2年ほどの日系車の販売伸び悩みは、製品の「魅力が不足している」ことと無関係ではないと指摘している。
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