『日本新華僑報』によると、今の日本には失業を恐れる雰囲気が漂っているという。日本人だけでなく、日本で働く中国人も同様に解雇されるリスクに直面している。
日本厚生労動省の調査によると、2008年9月に雇用保険の失業給付金受給者数は前年同期比で2.6%増え、1年4ヵ月ぶりに再度上昇した。これは経済不況で雇用情勢が日ましに厳しくなっていることを示している。調査によると、初めて給付金を受ける受給者数もやや増えているという。
厚生労動省のデータによると、2007年までは日本の失業保険受給者数は連続6年のマイナスとなったが、2008年7月以降は受給者数が毎月60万人を超え、9月にはさらに60万6000人に達し、2007年5月以来初めて前年同期比で増加となった。
雇用情勢悪化の影響を最も大きく受けたのは家庭で主な責任を負う中高年者である。例えば、東京新宿のハローワークでは、9月には、失業保険を受給中の者以外に、45歳以上の初回求職者が前年同期と比べて約20%増えた。職業相談部長を務める根岸栄子さんによると、「企業の労働者募集人数が減少しているため、たとえ推薦してあげても採用される望みは大きくない」という。
日本でソフトウェアの仕事に従事する中国人も明らかに失業の危機を感じ取っている。在日中国人企業、特に中国人が興したIT企業は年初以来不況が続いており、プロジェクトの受注がないため、従業員を派遣することができなくなっている。日本に来たばかりの新入社員は派遣されることができない場合、会社に解雇されることになるだろう。調査によると、2008年に日本に来たばかりのソフトウェアに携わる中国人のほとんどは失業状態にあり、何カ月も仕事がなく、日本で暮らす費用を負担することができないため、帰国せざるを得ない人も多くいるという。これだけでなく、日本語が上手で、長い間日本で働いている豊富な経験を持つ中国人も失業の波から免れるのは難しいだろう。
10数年前に日本に来たソフトウェア技師もやむを得ず在宅待機の状態になり、困難な時期を乗り切れるのを待っている。一部の日本企業は相次いで中国関連部門を撤廃し、企業の中国人従業員に直接影響を及ぼしている。ソフトウェアアウトソーシングに従事するある日本企業は突然、2年前に大連に設立した子会社を閉鎖し、海外業務部門をすべて撤廃し、従業員の給料を11月分まで支払っただけであるため、中国人従業員は対応する余裕もなく、別に仕事を探さざるを得なくなったという。しかし、履歴書を出しても面接試験の機会はほとんどない。ヘッド・ハンティング企業によると、今日、大手企業はいずれもリストラに踏み切っており、特に収益の上がらない部門や核心から外れた業務部門には募集ポストはない。現在の低迷状態は、2年前にIT企業が多くのプロジェクトを抱え、あちこちに働き手を求めていた情景とは余りにも大きな違いだ。
在日中国人の生活も同様に影響を受けている。一部の中国人は今回の金融危機の中で投資に失敗し、高額の損失を蒙った。日本の株に投資して塩漬け株になったことで家庭不和を引き起こす人もいるし、2007年に為替投資で小さな利益をあげたのに、2008年には 大損となった人もいる。中国の留学生もその苦しみを深く受けており、いままで料理店や工場でアルバイトして学費を稼いでいた学生たちは、現在もアルバイト料が据え置かれているうえ、アルバイトの機会も探しにくくなった。
経済学者は、現段階はすでに経済危機の谷底であると言うものの、いつ回復し始めるのかは、誰もはっきりと言えない。そのため、みんな、できるだけ財布のヒモをしっかりと締めており、現金が「王様」になっている。今年、在日中国人は日本経済の「寒波」の中で旧正月を迎えることになるだろう。(林道国)
「北京週報日本語版」2009年1月14日 |