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中国と日本  
ここ30年、中国での日本文化

 

新中国建国以後から改革開放以前までの期間に、中国に伝わっていた日本文学は主にプロレタリア文学であり、最も広く伝えられていたのは日本のプロレタリア作家の作品であった。例えば、小林多喜二の作品がそれである。その代表的作品としての中編小説『蟹工船』、『党生活者』などは翻訳され、出版された。

改革開放の初期に、中国に大きな影響を及ぼした日本の文学作品は主に映画文学であり、その過程は5年ぐらい続き、『君よ憤怒の河を渡れ』、『遙かなる山の呼び声』、『サンダカン八番娼館 望郷』などの作品がそれである。映画『君よ憤怒の河を渡れ』、『人間の証明』はまた中国における日本の推理小説の出版ブームを直接促すことになった。日本の推理小説はナゾをかけ、サスペンスを設け、雰囲気をかもし出し、ナゾを解明して刑事事件を解決するなどの面で、事件処理の要素をきちんとつかんで論理的推理を行うばかりでなく、ストーリーの構築、情緒の感化力の追求も手慣れたもので、知性的なナゾ解きと感性的な煽り立てを結びつけることに力を入れ、非常に多くの中国人読者を引きつけてきた。統計データによると、1979年から1989年までの10年間に、日本の推理小説を出版した中国の出版社は少なくとも40社もあり、出版された小説目録は百種類を超え、日本の事件推理小説の中国での出版は最盛期に入った。ちょうどこの時期に、日本の推理小説の大家森村誠一氏、松本清張氏などが中国で知られるようになった。

前世紀の80、90年代に入ってから、日本の現代文学の名作も次々と中国で出版され、例えば日本の近代の最も著名な文学の巨匠の夏目漱石の『吾輩は猫である』、『三四郎』、『それから』、『門』、『坊っちやん』および自伝の形の作品『道草』などが相前後して中国で出版されたことがそれである。

ノーベル文学賞は世界における受賞作品の伝播の最も良いよりどころである。同じように、日本の2人のノーベル賞受賞者川端康成と大江健三郎の作品も中国の出版社に重視された。

1990年代入って以来、日本の文学作品を出版する面には2つの著しい特色があり、1、アニメ・漫画作品であり、宮崎峻がその代表で、『鉄腕アトム』、『一休さん』、『花子ルンルン』など日本の一連のアニメ・漫画作品が中国に進出し始め、今でもそれが続いている。1970年代以後に生まれた中国人に非常に大きな影響を及ぼし、彼らの幼年時代、少年時代の精神の糧となった。この年齢層の人たちは、その次の世代の中国人の日本に対する見方を変えたばかりでなく、大きな程度において彼らの先輩の日本に対する態度を変えることさえあったわけである。2、日本の大衆文化が中国に入ってきたことであり、最も代表的なものは村上春樹である。村上作品が1990年代末期から中国に入ってきたこの10数年間に、村上作品を読むことはすでに中国の中産階層のメルクマールまたは記号の1つとなっている。私たちが見るには、村上春樹の非日本人読者の中で、現在までのところ、中国人が圧倒的多数を占めている。

村上作品は日本でもよく読まれていた。しかし、それには時代的背景

があった。当時、日本のバブル経済が徹底的にはじけ、社会全体にイライラと閉塞感がみなぎり、その上日本人が背負っている負の歴史も加わり、彼らは麻酔を必要とし、村上春樹の作品はたまたまこのような役割を果たし、その作品には青春、追憶、愛情、感傷、忠誠などの要素を含み、読者がそれを読み始めると、とても心地良くなる。したがって、村上作品が1990年代の日本で大流行となり、その複雑性があるとともに、消費性もあった。時には、中国の中産階層の読者たちは事実上村上作品を読むことを1種のパフォーマンスとしての読書行為とみなしている。ほかでもなくこのような誤解が存在しているため、2007年に新星出版社が小森陽一氏の『村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する』を出版した。この著作は中国人が村上春樹の作品を理解し、現代の日本社会の中で村上春樹はバブル経済の崩壊と日本の歴史問題によってもたらされた疾患をどのように治療したのかを知るために解読の道を提供している。

新世紀に入ってから、中国の日本文学についての紹介に顕著な特色があり、それはつまり更に系統性があることである。2002年、中国社会科学院外国文学研究所は「中日女流作家作品シンポジウム」を催すとともに、日本の女流作家作品のシリーズを出版し、日本の女流作家を非常に系統的に中国の読者に紹介した。2006年の年末には、また「中日青年作家対話会」を催し、日本の代表性のあるハーフバック作家を中国に紹介した。同時にメディアもますますこのことに関心を寄せ、『世界文学』雑誌社はその中の1つであり、彼らは意識的に日本文学賞受賞作品を中国に紹介し、『世界文学』誌2005年第2号に発表された『蛇にピアス』、2006年第1号に発表された『豚の報い』などの作品はいずれも「芥川賞」の受賞作品である。

2007年になって、私達は中国の出版社が日本の文学作品を出版する中で次のような2つの非常に面白い

変化が現れたことに気づいている。

2007年10月、前世紀80年代以後に生まれた日本作家の作品――『ひとり日和』という小説が上海訳文出版社から出版された。人を驚かすのは、この「芥川賞」という称号のほかに「名家」の光の輪のない作品が今日までにすでに10万冊を発売されていることである。この小説はある日雇い労働者である女の子がどのように年上の身内と付き合い、同時に自我の価値とアイデンティティの確立を追求したのかを描いた物語である。アイデンティティの確立を目指すこの女の子の仕事、生活と恋愛におけるさまざまなめぐり合わせと気持ちは人々に気をもませ、小説は1人の「あちこちを飛ぶ特別な族」としてのフリーランサーの辛酸を描き尽くし、このような心理状態は私達の「ポスト80年代以後生まれ」の世代と共鳴をもたらすことになった。

中国が日本の小説を紹介、出版することは主に近代、現代の著名なものに集中し、日本の歴史ものの小説に対する関心はずっと比較的少なく、2007年に重慶出版社が『織田信長』を出版し、2008年に南海出版社が出版した13巻からなる著書『徳川家康』は発売以来のわずか数カ月間に、100万冊も売れた。この2つの変化は出版社の日本文学出版における題材の選択がますます豊富なものになることを示唆している。

「チャイナネット」2008年7月21日

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