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本誌報道  
成立50周年を迎える寧夏回族自治区

 

厳しい自然条件との闘い

寧夏は東西に約250キロ、南北に約450キロ、日本と同じように南北に長い地形だ。海抜は平均1000mで山地や丘陵が多く、総面積の73.2%が山地、丘陵、台地などで占められ、平原は26.8%しかない。さらに同自治区は、西、北、東の三方をそれぞれテンゲル(騰格里)沙漠、ウランブハ(烏蘭布和)沙漠、モウス(毛烏素)沙漠に囲まれ、劣悪な生態環境と深刻な水土流失に悩まされてきた。自治区全体の23%近くの土地が沙漠化しており、ここの大量の流沙が北京、天津などの地域へ進入し、アジア全体の生態系にまで深刻な影響を及ぼしている。気候は典型的な乾燥・半乾燥地帯に属し、春には沙が風に吹き上げられ、夏は酷暑、秋は早めに涼しくなり、冬は厳しい寒さが長く続く。年間を通じて日照は十分だが雨や雪が少なく、年間降水量は300ミリ足らずという厳しい気象条件だ。

北部の寧夏平原は、黄河の灌漑を利用することで相対的に発展が進んでいるが、南部の山岳地帯と中部の乾燥地帯は黄土高原と沙漠化した草原が全域の59%を占め、生態系が脆弱である。自治区全体の経済総量の90%以上、財政収入の93%以上が北部地区に集中する一方、国土面積の半分以上を占める南部山間地帯と中部乾燥地帯は土壌が痩せ、水が不足し、工業資源が欠乏しており、経済総量は自治区全体の10%足らず、財政収入は7%足らずにしかならない。しかし、それにもかかわらず、42%の人口がここに集まっており、国が貧困救済の重点地区に指定した隆徳県、彭陽県(「環境」欄参照)などの8つの県もみなこの中・南部にある。

こうした状況から抜け出すため、中国政府も自治区政府も生態環境の改善に力を入れてきた(「環境」欄参照)。しかし、生態環境が改善されただけでは人は食べてはいけない。環境を改善する一方で、貧困から脱け出し、経済を活性化させるために観光振興(「観光」欄参照)や農業の産業化、新型工業の振興などさまざまな試みがなされているが、現在、その1つとして寧東エネルギー・化学工業基地と太陽山開発区の建設が注目されている。

沙漠化、荒漠化した地を緑にする努力が今でも続けられている。写真は新たに整備された石嘴山市星海湖の周辺に植樹された木々。その背後には南北200キロ余りにわたって賀蘭山脈が連なる。

 

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