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元駐日特派員林国本さんの眼  
文化の交流とは面白いものだ

 

                             林 国本

諸外国との文化交流も、時代の推移とともに、いろいろな変化、進化とバリエーションが見られるようになり、北京だけでも日本各地の老舗や広告文で紹介されている日本料理店が百軒もあり、中国の若者たちの間では、日本食はダイエットに良いということが口コミで広がり、生活がいくらか豊かになった中国の都市部では、日本食、イタリア料理、スペイン料理、フランス料理の人気が上昇している昨今である。北京のいまひとつの変化は、カナダ人、アメリカ人が経営している欧米化した「SUSI」のレストランさえ姿を現していることだ。さいきん、子供や、子供の同窓たちとカナダ人が経営しているSUSIのお店で食事をしたが、お店はインテリアまで欧米風で、ウェトレスさんたちも、その他の日本料理店のような和服姿ではなく、洋食レストラン風のスタイルであった。 

どんな味かと好奇心を抱いて何種類かを食べて見たが、おいしかった。しかし、気持ちとしてはやはり本場の日本食の方が落ち着いて食べられるのではないか、とも感じた。お客さんもかなり入っていたので、北京っ子の間で口コミでかなりの人気になっているらしい。

 アヘン戦争以降の百十年、中国は「東アジアの病人」と言われつづけて、世界の強国のえじきになってきた。むずかしい政治の話はぬきにして、ひとことで言うならば、時代とともに進歩しなかったことが悲劇の原因のひとつだったと言える。したがって、さいきんの都市部の中国人の国際化の進歩ぶりを見て、筆者は百数十年前にこうであったなら、その後、数千万人が虫ケラのごとく殺りくされることはなかったのにと思うこともある。

だが、伝統的な考え方の持ち主がいないわけでもない。一例を上げると、北京オリンピックを前にして、いろいろな競技施設ができ、さまざまな建物が北京の目抜き通りに現われているが。その中で国家大劇場とか「鳥の巣」、CCTV(中央テレビ)のビルなどは議論の多い建物である。しかし、筆者はこういう建築工学においてブレークスルーとなるようなものもあってよいと思っている。ある友人の話では「鳥の巣」などは溶接技術の面で、すばらしい進歩が見られるらしい。青海―チベット高原を走る鉄道、「南水北調」(南部の水を北部へ導く)プロジェクト等、工学技術面でのブレークスルーがかなりあるらしいが、工学面で百パーセント大丈夫なのか、という人もいないわけではない。ミクロの面で、筆者も何回か新しい試みをして、いろいろな人に「あいつは奇をてらうのが好きな人間だからやらしておけばよい」と言われたこともある。しかし、それが小さな成功を収めたおかげで、いまでは「あいつはパイオニア精神」があると言ってくれる人も出てきた。要するに、新しい試み、新たなフロンティアの開拓に取り組む人たちを温かく見守ることは必要ではないだろうか。そのうちに中国はかなりの分野で世界の先端を行く時代が来ることはまちがいない。そういう時代が来たときは、決して「清朝の滅亡の際に弁髪をバッサリ切ることをあくまで拒んだ」ような人間にならぬことではないだろうか。

「北京週報日本語版」2008年6月30日

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