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林 国本
中国は四川大地震で甚大な被害をこうむった。とくにテレビの時代にある今日、被災地の模様が刻々と伝えられ、国民全体が一丸となって救援のために手を差し伸べている。山間部への道路が寸断され、山奥の町汶川はまったく「陸の孤島」と化した期間があった。世の中には機転の利く人もいるもので、各地の登山愛好者たちがインターネットを通じて呼びかけ合って、ボランティアグループを結成し、現地の原生林の中を縫って、さながら「ひよどり越え」のように被災地に入り、医薬品、食糧、飲み水などをとどけ、地元の人たちに感謝された。
そして、この間、テレビでは、地震の多い日本の地震対策を紹介する番組がオンエアされ、一家言のある学者たちがうんちくを傾け、日本での対策を語っていた。しかし、中国では日本の近代化や企業の紹介などでよくあるように、あまりにも良いことづくめの傾向があるように、まるで日本の地震対策は百点満点のように語られている。筆者は数十年らい、日本と関連のあるメディアに勤務し、第一線から引退してからも関連のある分野で好きなことを楽しんでいるが、特派員として日本に長期滞在し、その後も何回も訪日しているので、ごく自然に「複眼思考」が身につき、そういうことから、日本の地震対策も百点満点でないことを知っている。阪神・淡路大地震のケースも然り、新潟地震のケースも然りであり、日本の地震工学の専門家たちは精度向上のために今でも努力している。日本で想定されている東京都直下型地震についてもいろいろとシミュレーション研究がつづけられている。人類にとって未知への挑戦と言ってもよい。
昨今は日本の免震構造、制震構造、柔構造などの専門用語が中国のメディアでも紹介されている。筆者の知人も、それこそ引っぱりダコでいろいろなテレビ・チャンネルで、それこそ口角泡を飛ばして日本の地震対策のすばらしさを紹介している。中国人の地震に対する知識のレベルアップに役立つので、これはいいことだと思う。中国人で自分たちの国も日本とほとんど同じように地震多発国であることを知っている人はそれほど多くない。そういう意味で、こういう番組は大いに必要だと思う。
今回、震源地の学校の校長で、日本やその他の国の地震対策、知識に興味を示し、自分たちの学校でも、たえず生徒たちに演習をおこなわせてきた人がいる。そのおかげで、今回の大地震発生の際は、すぐ生徒に机の下にちじこまるよう指示し、最初の震動が小休止状態になったときに、一斉に平時から指定したコースでグラウンドに避難させた。そのため、一人の負傷者も出さなかった。これから見ても、耐震構造など専門的な研究も大いに必要だが、こうした日常の教育訓練も不可欠であることが分かる。今回のカタスロトフィーといっても過言でない出来事はいろいろなことを中国人に教えてくれることになろう。
「北京週報日本語版」2008年6月10日 |