一部の西側主流メディアは、同一の事件の報道に際して、ニュース報道の客観と公正という原則に背き、事実と異なる次のような報道を行ったとされる。
CNNのウェブサイトは3月17日、拉薩事件の写真を掲載した。写真では2台の軍車両が2人の市民に向かってやってくるように見える。だが写真の全体を見ると、10人ほどの暴徒が車両に向かって石を投げているのがわかる。CNNウェブサイトの写真では故意にこの部分が切り取られている。
英BBCのウェブサイトは同日、「蔵(チベット)人、引き続く騒乱を語る(Tibetans describe continuing unrest)」と題した記事を掲載した。記事の写真には「拉薩には多くの軍隊が展開している」との説明書きが添えられている。だが写真に写っているのは騒乱の被害者を救急車に運ぶ医療救助員を助ける現地の武装警察の姿。車体には「急救」の文字が書かれているのがはっきり見え、赤十字のマークが描かれていることからも、救急車であることは一目でわかる。
ドイツの「ベルリナー・モルゲンポスト」は3月18日、「警察が蔵人を逮捕」との説明書きをつけた写真を掲載した。だがこの写真は、西蔵の公安警察と武装警察が攻撃を受けた負傷者を助けているところだった。
ドイツのテレビ局RTLはウェブサイトのニュースで、4人の棍棒を持った警察官がデモ参加者を追いまわす写真を掲載し、「中国の警察が西蔵で抗議者を鎮圧」との説明書きをつけた。しかしこの写真はネパール警察が17日にカトマンズでデモ参加者を追い散らすところを撮ったものだった。同じ間違いはドイツのテレビ局NTVの番組にもあったという。
これらのメディアは西側社会の主流メディアだ。彼らはこれまでニュースの客観性と公正さを自らのモットーとしてきたのではなかったか。だが拉薩事件の報道では、我々は本当の客観的で公正なニュースを見ることはできなかった。多くの事実に反する報道は「間違えた」といって説明のつくレベルを超えている。
「反CNN」のようなウェブサイトはこのような状況の下、ネット利用者が自発的に開設したものだ。彼らはこのような嘘の報道を集めて閲覧者に公開した。テーマは「西蔵の真相:西側メディアの中国を汚す報道の全記録」とされた。
日々あらわになる事実に直面し、また国内外のウェブ利用者を主体とした世論の大きな圧力を受け、RTLテレビは3月23日、西蔵関連の報道で間違いがあったことを認め、遺憾の意を表明した。だがこれ以外、ほかのメディアからの反応はない。
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