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女流作家・張純如の『南京大虐殺』日本語版、ようやく出版へ

 

日本の「中文導報」によると、米国籍中国人女流作家の張純如が1997年、「南京大虐殺」事件の真相を暴いた歴史著作『南京大虐殺』(英文原作名『The Rape of Nanjing』は世界を震撼させた。だが、「南京大虐殺」を画策し実行した当事国の日本では、特殊な社会的雰囲気と政治的圧力から、日本語翻訳本は98年の出版の過程で頓挫し、その後、出版に至るまで10年という長きにわたり摩訶不思議ともいえる空白を経た。張純如本人は長年におよぶプレッシャーからうつ病となり、04年11月9日に銃を喉に打ち込んで自殺した。36歳という風采、文才ともに盛りの年齢でこの真相不明の世を去ったのは、非常に惜しまれる。         

07年12月13日、「南京大虐殺」事件は70周年記念を迎える。歴史が歩んできたこの長い70年の歳月を記念し、歴史に対する正義感と道徳、勇気に満ちた中国人女性を追憶し、さらには日本社会に1つの完ぺきともいえる歴史証言を提供するため、雌伏10年という出版のタブーを打ち破り、日本の華僑・巫召鴻氏が翻訳し、日本の同時代社が出版する日本語版『南京大虐殺』を世に問うことになった。

翻訳者の巫召鴻氏は1951年に日本で生まれた華僑。長年にわたりコンピューターソフトの仕事に従事している。巫召鴻氏はこう語る。「私の人格は、60年代から70年代にかけて形成されました。そのころ、1つの上の世代が語る戦争体験をよく耳にしましたが、そのほとんどが広島や長崎の原子爆弾のことや、東京大空襲、武勇伝や特攻隊、真珠湾攻撃といったもので、南京大虐殺については語っていませんでした。70年代から、日本人の戦争に対する意識は被害者意識へと偏りはじめ、そして次第に加害者としての視野が曖昧となって、侵略者としての立場を覆い隠すようになりました」

98年、柏書房は『南京大虐殺』を翻訳・出版することにした。その際、社会的影響を配慮して、出版元は日本語の訳文に日本の視点に立った注釈と説明、批判する文言を加えるよう求めたが、張純如本人が反対したことで、出版計画は流産した。これによる後遺症は、『南京大虐殺』はその後の10年にわたって日本の出版界でタブーとされ、だれもがこの敏感な翻訳出版の話題に触れようとしなくなったことだ。だが日本ではなんと、それに合わせるように原作を訂正し、非難し、説明を加え、ひいては厳しく批判する著作が出版されたのである。笠原十九司氏の『南京事件と日本』や、同じ歴史観をもつ本田勝一氏と妬村太一郎氏の対談、さらには原作を全面的に否定する藤岡信勝氏、東中野修道氏が著した『「南京大虐殺」の研究』などだ。

巫召鴻氏は「翻訳出版にいたる経緯」のなかでこう指摘している。「日本語の形で、日本で出版しようとする著作がこともあろうに、四方八方からこのように集中的に非難と批判を浴びた書物は、これまでに1冊もなく、前代未聞のことです」。だからこそ、彼は日本語版の出版によってより多くの人が完全な形でこの本を読み、原作を本当に評価してくれるよう期待しているのだ。

同時代社の川上徹社長は「中文導報」の取材に応じた際、日本語版の出版が紆余曲折を経た過程を語っている。川上氏は06年に巫召鴻氏からの手紙を受ける以前から、日本で『南京大虐殺』を出版したいと考えていた。川上氏は出版界やメディアにいる友人に意見を求め、98年の柏書房による出版の頓挫の経緯を理解したが、慎重に対処して、問題に巻き込まれないようにとの忠告が大半だったいう。それでも川上氏は、日本語の翻訳原稿を読んで、魂のある、力のある、説得力のある作品だと深く感じ取ったという。

川上氏はこう語る。「張女士の原作は大虐殺の本質を暴いています。大虐殺を行った方法や形態など、実質的な問題を詳細に記しており、非常に重視する価値があります。日本の右翼は原作にある細部の誤りを誇大化させて、『偽書』だと指摘しています。日本の出版界も過去10年もの間、なんと「自由な規制」を実行することで、張女士の著作が表した歴史の真相と歴史の声を抹殺したのです。こうしたやり方は誤りです。ですから、同時代社は今春、この本の日本語版を出すことを決めたのです」

川上氏によれば、張女士の原作は3つの点から『南京大虐殺』の真相を解読できるという。第1は当時、事件を自ら経験した日本人の証言を聞いていること。第2は、大虐殺の被害者と生存者である中国人の記憶を記録していること。第3は、当時の「国際安全ゾーン」にいた外国人の記録を掘り起こしたことだ。張女士が初めて見つけ出した「ラーベイ日記」はすでに、「南京大虐殺」について記述する著名な歴史文書となっている。

日本語版『南京大虐殺』は厚さ380頁にのぼる。原作に収められている43枚の貴重な写真を掲載し、原作に遜色はない。日本語版は「南京大虐殺」70周年を記念する12月13日までに書店で発売される予定だ。

川上氏は「張女士は日本人にこの本を読んでもらいたいと切に思い、また日本人とじかに向き合う率直な交流を望んでいました。前者は間もなく実現されます。でも後者については、これからもずっと、残念だったなという気持ちが残るでしょう」と話す。

川上氏によれば、この10年来の日本の政治環境と社会の気風に実質的な変化はなく、ただ右翼による「新歴史教科書」が、民間が選択・使用するにあたって相次いで壁に突き当たり、編纂委員会も内輪もめで平静の傾向にあっても、社会的には依然として『南京』に関する話題はタブー視されているという。「南京大虐殺」70周年が間もなく訪れるが、日本でこれを記念する活動を耳にするのは非常に少ない。龍谷大学の田中宏教授が「2007南京大虐殺70年東京記念証言集会」を組織することにしているが、どこか寂寥感が漂う。そうであれ、張純如女士の遺作『南京大虐殺』日本語版の出版に、日本人の歴史に対する謝罪と愛惜の念を託すことができるのではないか。

「北京週報日本語版」2007年12月4日

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