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中国四大発明の今昔
2008年北京五輪の開幕式のセレモニーでは、中国古代四大発明の火薬、羅針盤、紙、印刷術が中国を紹介するうえで一大テーマとなった。中国が火薬を発明したのは紀元前1世紀。紀元前5世紀、世界最古の羅針盤が中国に出現。製紙術は7世紀に至って東、朝鮮や日本へと伝わった。およそ1世紀前後に中国で最も早く出現したのは木版印刷。中華民族の世界文明への偉大な貢献として、四大発明は世界文明のプロセスに重大な影響を与えた。数千年が過ぎ去り、今日、この四大発明は中国の発展にどのような影響をもたらしたのか、これと関連する産業はどんな状況にあるのか。
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【火薬の今昔】中国史料の記載によれば、中国が火薬を発明したのは紀元前1世紀。当初は製薬のみに用いられた。9世紀末になると、黒色火薬が出現し、花火や爆竹の製造に用いられるようになり、祝日や祭典の際には花火や爆竹を上げて祝う一種の伝統文化が形成された。
【羅針盤の今昔】紀元前5世紀、世界最古の羅針盤が中国に出現。天然の磁石で作ったもので、スープのような形をしており、丸い底を平らな盤上に置くと平衡を保つことができ、しかも自由に回転する。静止すると、ひしゃくの柄は南の方向を指す。中国人はこれを「司南」と呼んだ。
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【製紙術の今昔】製紙術は恐らく古代発明のなかで継続性という点で最強かもしれない。現在でも中国にはこうした方法で紙を製造している人がおり、しかも多くの環境保護を主張する人たちは汚染をもたらす現代の製紙技術に反対の姿勢を示すとともに、ゼロ汚染である古代の製紙法を採用するよう呼びかけているからだ。
【印刷術の今昔】中国で最も早く出現したのは木版印刷。およそ1世紀前後のことだ。文字の書かれた面を木版に張り付けた後、文字を刻む。印刷する際には、刷毛に墨汁をさっと含ませて、均質に板面に塗り、注意深く紙を板面にかぶせ、刷毛で軽く紙を擦れば、文字や図画が印字される。
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開幕式に見る「四大発明」
参考資料
火薬
 火薬が発明されたのは6~7世紀頃の唐の時代だといわれており、当時の火薬は、21世紀の現在でも花火などに使用されている黒色火薬という硝酸カリウムや硫黄などを混ぜて作るものであった。その後、11世紀頃の宋の時代になると、火薬は投石器などの戦争の道具として使用されるようになる。
羅針盤
 磁場を持つ「石」である磁石は古代ギリシャの時代には発見されていたという。地球自体が巨大な磁石であることに気付いていなかったものの、磁石の持つN極とS極が地球の持つ磁場に反応し、常に一定の方向を指し示すことは紀元前300年ころの中国ではすでに知られていたという。
 紙が発明される以前の古代中国では、主に木簡や竹簡が使用されていた。しかし、木簡や竹簡は物理的にかさばりるため保管が容易ではなかった。また、絹に文字を記載するということもあったようであるが、絹は媒体として使用するには余りに高価すぎた。
活版印刷
 活版印刷とは、活字を自由に組み合わせることの出来る版による印刷方法を指し、凸版印刷の一つである。活版印刷は非常に簡単な仕組みであり、印刷したい部分をそれ以外の部分より一段高くし、高くなっている部分にインクを付け、対象物にインクを転写する。