今回のアジア安全保障会議で話題になった中国の南中国海島礁における建設工事を例に取ろう。まずこれは中国の主権範囲内の事であり、その上目的は島に駐在する士官・兵士の生活改善と、南中国海の救援活動、水上運輸、気象観測などにいっそうの便宜を提供することである。2014年3月にマレーシア航空MH370便が行方不明になった後、複数国による捜索隊が南中国海地域で大規模な捜索活動を行った。中国が南中国海地域における便宜提供を強化できれば、この区域の海事救援活動にいっそう役立つに違いない。
今年の会議で、カーター米国防長官は中国が領有権を持つ南中国海の島礁で埋め立てを行っていることを非難したが、他の一部の国が中国の南中国海島礁を占領して施設建設を行っていることについてはとがめなかった。こうしたダブルスタンダードは中国に反感を抱かせ、いかなる紛争の平和的解決にも役立たないばかりか、南中国海地域の平和と安定を守る上でも役に立たない。
アジア安全保障会議を前に、中国は『中国の軍事戦略』白書を発表し、国の領土、主権、統一など核心利益を守るために奉仕するという中国の国防戦略総原則を詳しく説明し、また平和的発展のアプローチを強調し、地域と世界の平和を守り、霸権に反対し決して覇を唱えないことを約束した。
今年のアジア安全保障会議で、中国の代表団は全体会議とすべての分科会に参加した。各国との対話交流の中で、中国代表は中国の地域安全保障課題に対応する上での立場と主張を積極的に説明し、地域各国が安全対話協力を強化し、地域平和の維持と促進に努めるべきだという誠実な願いを述べた。
中国の南中国海地域の平和と安定は、地域全体が共同で守ることが必要である。いかなる意見の相違や問題も協議と交渉を通じて解決することが可能だ。紛争解決において、関係国が混ぜ返してばかりの嫌われ者になるのではなく、建設的な参画者となることを心から願う。各国が目にしたいと願っているのは、各方面に害を残す衝突と対抗ではなく、平和と協力なのである。
「北京週報日本語版」2015年6月4日 |