本誌記者　唐元愷

北京で働くホワイトカラーの方澄さんは、無料インスタントメッセンジャーアプリ「微信（ウェイシン、 WeChat）」でチャットしている時、ずっと注目していた「秘密」を知ることができた。今年多くの視聴者が見た中国中央テレビの旧正月年越し番組「春節聯歓晩会」（略して「春晩」）で、微信の「シェイク」（中国語では「揺一揺」。位置情報を用いて同時に携帯電話を振っている人を検出し、登録情報を交換できる）機能を使って「お年玉」を当てるという企画があった。それを企画し技術的にサポートしたのは、「随視伝媒」（Adsit Media Technology Co.,Ltd）という企業だったのだ。 

今回の価値３０億元、８大業界をカバーする３億７８００万枚の商品券は、微信お年玉ギフトカードの深化版をベースに「随視」が独自開発した「ＳａａＳ（Software as a Service）」ツールを通じて作られたものだ。微信の戦略的協力パートナーであるこの企業が、実体商取引を電子化するトータル・ソリューション・プラットフォームを構築した。 

微信ができた当初から使っている「ベテラン・ユーザー」の方澄さんは、当初微信１.０が「メッセージの送受信、写真の共有、友人とのコミュニケーション」としか打ち出していなかったことをはっきりと覚えている。中国でページビューが最大の中国語ポータルサイトを作ったテンセント（騰訊）社は、２０１１年１月２１日、スマート端末にインスタントメッセンジャーサービスを提供する無料アプリ「微信」を打ち出した。このアプリは通信キャリアやＯＳに関係なく、ネットワーク経由で迅速かつ無料で（少量のネットワーク・トラフィックは必要）文字、画像、音声メッセージ、動画を送信でき、ストリーミングメディアを通じたコンテンツ共有や、位置情報に基づいた「シェイク」、さらに「モーメンツ（微信で登録した友人どうしで写真や動画などの投稿を共有する機能）」、「公式アカウント」、「メッセージボトル」、「音声メモ」などのＳＮＳプラグインも使うことができる。