――メカニズムによって安全保障を促進する。メカニズムが構築されず、リスク管理がなければ、安全保障は空中の楼閣にすぎず、国家間が競争し合う悪循環に陥ることは避けがたい。従って、開放的で受容性が高く、互恵・ウィンウィンのアジア安全保障と協力体系の構築は、アジア各国の共通利益に合致している。

朝鮮核問題六者会合から上海協力機構、ＡＳＥＡＮ地域フォーラムからＣＩＣＡに至るまで、いくつもの外交上の実践の背後には、中国の開放的で実務的な協力精神と、アジア平和のために奔走し呼びかけるたゆまぬ努力が凝縮されている。だからこそ、今回中国が主催したＣＩＣＡが、アジア安全保障と協力の新たな枠組み構築を探求する契機と見なされているのだ。

――ゼロサム思考を拒否してこそ安全保障がある。歴史は十分に深い教訓を残した。数百年にわたって、大航海時代から植民拡張、工業革命から２回の世界大戦まで、世界はゼロサムゲームを繰り返し、互いに傷つけ合ってきた。しかしこうした話は、新時代の到来によってもまだ終わりを迎えていない。

平和・発展・協力時代の主流に逆行するこうした雑音を前にして、中国は終始「和をもって貴となす」原則を貫き、問題を引き起こさず、また事なかれ主義も取ってこなかった。シリア危機であれイラン核交渉であれ、中国は外交手段による紛争解決を堅持し、独自の重要な役割を果たし、対話と協議という平和理念を人々の心に深く刻んできた。

アジアの集団主義思想と団結協力の伝統は、共通の安全と共同発展を実現するための思想的支柱となっている――６０年前、中国、インド、ミャンマーの３カ国政府が共同で提唱した平和五原則は、アジア平和維持の上で大きく貢献しただけでなく、国際関係においても公認の指導準則となっている。

アジアは将来どの方向に進むのか？５月の上海は「中国の知恵」を示し、「アジアの答え」を打ち出すだろう。アジアの重要な一員として、中国はアジアの安全保障と安定により多くの知恵と力で貢献し、運命共同体・利益共同体意識を醸成し、共通・総合的・協調的・持続可能なアジア安全保障観を打ち出し、地域平和・安定・発展の共同促進が永久に大勢の向かうところであると終始確信している。

「北京週報日本語版」2014年5月21日