暁 岸
米国のバイデン副大統領が12月初旬に中国を訪問する。他にも日本と韓国を訪問する予定だ。
バイデン副大統領の訪中は就任後これが2度目となる。副大統領が今回の北京訪問で担うのは、もはや面識を持ち中国の新指導部を間近で観察するというような任務ではない。双方は儀礼的、記号的、形式的な予定を過剰に組む必要はなく、外交辞令を大幅に省略して、単刀直入に共に関心を持つ重大な実質的問題について詳細に討議することができる。そして、互いに包み隠さず向き合い、深い意思疎通を行うことは、国際的に最も影響力ある二大大国が世界に示すべき付き合い方である。
バイデンの使命
今回のバイデン副大統領訪中は、2013年の中米上層部交流の締めくくりになるだろう。北京は明らかに今回の訪問受入を通して6月にカリフォルニア州の農園で行われた習近平・オバマ会談で達した戦略共通認識を重ねて言明し、両国の「新たな大国関係」共同構築という流れをさらに続け、実質的なものにすることを期待している。中国新政府は発足後、能動的外交を強化し、「トップダウン設計とボトムライン思考の重視」を強調してきた。米国に対しては、新興大国と守成大国とが真っ向から衝突する「歴史の宿命」を打ち破るだけでなく、両国関係を安定的発展と建設的協力の軌道で定着させる必要がある。
副大統領としての最初の訪中と比べ、2度目のバイデン副大統領訪中の雰囲気には新たな変化が見られる。中米両国政府は、中米関係を安定的に発展させ、新たな大国関係を共に築くという方向性を共に確認したが、実際に取り組むとなると、双方ともにさらに複雑な試練に直面している。
中国共産党第18期中央委員会第3回全体会議(第18期三中全会)終了後時を置かずに訪中するバイデン副大統領の旅は、米国を最初に代表して中国の新たな改革の波を探る旅となる。経済関連の議題が重要な位置を占めることは間違いないだろう。このような時期に両国指導者層が対面して意思疎通を行うことは、米国が中国の改革発展方向に対し正しい理解を持つことに役立つ。経済関連で中国側が望んでいるのは、中米双方が共に努力し、中国の新たな改革と米国の構造的調整の中でチャンスをつかみ、マクロ経済政策協調を強化し、新時代の互恵協力のロードマップをしっかりと計画し、長期にわたって中米経済貿易関係を悩ませてきたさまざまな難題の解消に向けて努力することだ。
中国側にとって、第18期三中全会で始動した経済改革措置は、開放拡大と相互に促進作用を果たす部分が大きい。WTO加盟によってもたらされたメリットが消えるにつれて、中国は貿易保護と外部競争導入のため新たな国際貿易枠組み協議の推進を急ぎ、国内経済構造調整と体制改革を促進している。米国との2カ国間投資協定交渉はその中で重要な役割を果たすだろう。第5回中米戦略経済対話期間中、中国側は内国民待遇とネガティブリストをベースにして米国側との交渉再開に同意したが、実質的な進展を遂げるには双方の苦難に満ちた努力ないしは上層部の政治的決断が必要だ。
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