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解決の糸口見えぬ難題、中国の電力不足

石炭と電力の価格連動という難題

中国の電力の80%は火力発電である。発電企業が最も切望しているのは石炭と電力の価格連動だ。政府が電力価格を開放し、電力価格が石炭価格変動に応じて変動することを望んでいる。火力発電企業はこれが電力不足解決に最も有力な方法だと考えている。

中国電力企業連合会が5月17日に公表したデータによると、石炭価格の上昇により、今年1~4月の五大発電グループ(中国華能、中国大唐、中国華電、中国国電、中国電力投資)の火力発電生産赤字は105億7000万元、昨年同期赤字額の3.22倍であった。

国家電力監督管理委員会弁公廰の兪燕山副主任は、電力不足の本当の原因は発電設備容量不足ではなく、石炭と電力の価格が連動していないことが火力発電企業の発電積極性に影響しているからだ、と述べている。

中商流通生産力促進センターの李廷研究員も中国証券報記者の取材を受けた際、需給矛盾は電力不足の表面的な原因にすぎず、長年蓄積されてきた石炭価格と電力価格の矛盾こそが「電力不足」の根本的原因だ、との考えを述べている。

石炭と電力の価格連動はこれまで検討されてこなかったわけではない。国家発展改革委員会は専門家を集めて石炭と電力の価格連動を検討したことがあるし、一般社会での論争もずっと続いている。

中国エネルギー研究会の周大地副理事長は石炭と電力の価格連動を支持している。周副理事長は、電力価格は燃料価格の変動にともなって調整されるべきだ、と言う。発電業界はとうに独占状態を打破し、現在国有大型発電企業間には競争がある。発電業界が市場化したのだから、電力販売も市場化するべきだという。

国家電網公司エネルギー研究院のサブチーフエコノミストで戦略計画研究所所長の白建華氏は、電力価格は民生問題に関連するため調整は慎重にすべきであり、石炭と電力の価格連動は中国の国情には合わない、と述べている。

白建華氏によれば、現在の「電力不足」は主に地域的なもので、一部の省で短期間に需要が急増したため石炭不足になり、発電が止まる現象が出現した。もう一つの重要な要因は、電力網の建設が追いつかず地域間送電能力が不足したために、余剰電力のある省から電力不足の省に電気を送ることができないことだ。このため、今電力価格を自由化しても短期的な問題解決になるだけで、物理的な送電配置の問題を解決することはできず、省間送電による相互支援は依然としてできない。しかも、電力価格が国家発展改革委員会により統一管理されている現状では、電力市場は開放される段階まで至っておらず、市場法則が健全でないため、電力価格の開放は非現実的である。

白建華氏は、石炭と電力との矛盾を一時的に緩和する方法のうち、価格連動は最も実行可能性があるものの、やはり短期的行為にすぎない、と言う。なぜなら現在一部で起きている「電力不足」の原因は、高すぎる石炭価格や不合理な電力価格体系により発電企業の積極性が失われたことのほかにも、現在の干ばつによる水力発電量の減少という一面もあるからだ。石炭と電力の価格を連動させるだけでは、水力発電、風力発電、原子力発電などの電力網間で相互支援を実現することはできない。

 

「北京週報日本語版」2011年6月7日

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