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解決の糸口見えぬ難題、中国の電力不足

電力不足の原因

中国にはずっと電力不足の問題が存在してきた。申銀万国首席エコノミストの李慧勇氏は中国のこれまでの電力不足の原因を次のように総括している。最初は電力建設投資不足による電力不足、1997年~2004年は投資企業が制限を受けたことによる電力不足、2005年~現在までの電力不足は価格体系の不均衡によるものである。

中国では現在、市場石炭価格と計画電力価格を採用している。ここ数年石炭価格が急騰したが、電力価格は国家発展改革委員会によって決定されるためほぼ変わっていない。そのため発電所のほとんどが赤字になり、積極的に発電しなくなってしまった。

また、昨年は省エネ・排出削減目標達成の圧力で抑制された高エネルギー消耗産業の生産能力が今年はその束縛から解放され、第1四半期に化学工業や建材など高エネルギー消耗業界の電力使用が急増した。国家統計局ウェブサイト上のデータによると、今年第1四半期の浙江省重工業の増加値は13.7%増え、化学工業や非鉄金属製造など高エネルギー消耗産業の電力使用は伸び率が20%にも達した。浙江省は現在中国で電力供給が最も不足している省の一つである。

帥軍慶副総経理によると、中国の電力発展は長い間現地での調達を主としており、各地で火力発電所を盛んに建設し、発電源は過度に石炭に依存してきた。山西省、陝西省、内蒙古自治区など石炭の主要生産地の外部への石炭輸送と送電の比率は20対1で、華東などエネルギー調達が必要な地域の石炭と電力の調達比率は48対1となっている。しかし中国東部地域は火力発電所新規増設の余地が極めて限られており、地域間電力網を通じて西部や北部のエネルギー基地から大規模に送電する必要に迫られている。しかし現在、地域間電力網は建設が滞り、送電能力が不足しており、東北や西北の余剰電力を華北、華東、華中への支援に回すのが難しい。

『経済参考報』記者が内蒙古自治区で行った調査によると、現地の蒙西電網にはすでに供給過多の状况が出現しており、4月末現在で余剰発電量が約640万キロワットとなっている。国家電網公司発展企画部の呂健副主任は、蒙西電網のほか東北電網と西北電網もかなりの供給過多で、夏場の電力使用ピーク期に、東北電網は1300万キロワット、西北電網は1400万キロワットの電力が余るだろう、と述べている。

つまり、夏場に東部や中部で電力が逼迫している時期に、西北や東北には3000万キロワット以上の余剰電力があるというのにそれを送電できないのである。このことから、中国の電力需給ギャップや新生産能力建設地域分布の不合理さが電力不足の主要原因の一つであることが分かる。

 

福建省莆田市で500キロボルトの送電線を検査する福建省第二電力建設公司の社員(張国俊撮影)

 

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