本誌記者 唐 元愷
10月25日から中国古動物館で始まった「特別展覧会」で、新たに発見された恐竜の化石(標本)が同展の目玉として紹介されている。専門家によると、これは世界で初めて発見された特殊な尾羽を持つ新種の恐竜で、ジュラ紀(約2億500万年~1億4400万年前)の地層から発見された鳥に極めて近い種だ。そのため、鳥類の起源を明らかにし、鳥の羽毛がどのように進化したのか、鳥がどのようにして飛行するようになったのか等々、科学のナゾを解明するのに極めて重要な学術的価値を持っている。とりわけ「鳥は恐竜から進化した」という仮説に、これは最新の証拠を提供するものだ。

「系統の発育を分析した結果は、これが鳥群(アヴィアラエ)に属する鳥類に最も近い恐竜の一種であることを示している」と説明するのは中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の張福成研究員だ。同研究員によると、新たに発見された化石の特徴は特に複雑で、それが属する種・群を識別するため、研究スタッフは80種の恐竜と鳥に関わる360の特徴について比較し、ついにこの新種を確認したという。
この研究の結果は、張福成氏と研究所の同僚である周忠和、徐星、汪筱林の各氏および米国籍のポストドクターであるコーウィン・サリヴァン氏の共同作業によって『中国ジュラ紀層から出土した長いリボン状の羽毛をもつ奇妙なマニラプトル類』と題した論文にまとめられ、10月23日出版の英科学誌『ネイチャー』に発表された。
この奇妙なマニラプトル類は中国語で「胡氏耀竜」、学名「Epidexipteryx hui(エピデクシプテリクス・フー)」と命名された。属名の“Epidexipteryx”とは「輝く羽」の意味で、種名の“hui”はラテン語で「胡氏」の意味だ。中国語の属名にある“耀”は、今年4月にわずか42歳で夭折した古生物学者・胡耀明氏に由来している。
胡耀明博士は、遼寧省西部の熱河生物群(Jehol Biota)の中の哺乳動物を最も早くから研究していた学者だ。02年に肝臓ガンが見つかったにもかかわらず、彼は驚くべき気力で研究を続け、国内外から極めて注目される大きな成果を少なからず挙げた。彼と同じ研究の道を歩む人々は、胸いっぱいの哀惜の情をこめて最新の科学研究の成果を、敬意をもって彼に捧げたのだ。
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