非利息収入の割合が上昇

中国の各商業銀行は営業収入に占める非利息収入が增え続けている。

中国銀行の第３四半期業績レポートによると、１～９月期の中国銀行の利息収入は昨年同期比10.56％増の1222億5000万元に達したが、上半期の利息の純収入が昨年同期比14.78％増えたという上半期業績レポートのデータに比べて、中国銀行の１～９月期の利息収入は顕著に鈍化している。

李鋼氏の話では、中央銀行が連続して金利を引き下げた背景の下で、中国銀行にとって従来の預金・貸出業務によって業績を高めるというプレッシャーは非常に大きい。中国銀行の利益構成において非利息収入はますます重要な地位を占めるようになっている。

１～９月期の中国銀行は551億4200万元の非利息収入を実現し、昨年同期比80.47％増となり、営業収入に占める割合は31.08％に達し、昨年同期比9.43ポイント上昇した。

中国銀行の第３四半期業績レポートは、非利息収入の增加は内外業務の連動を強化し、製品の刷新と市場の開拓に力を入れたことと関係がある、としている。１～９月期の国際決済、為替取引決済、財務顧問などの業務はみな良好な発展を示している。

工商銀行と建設銀行の非利息収入の増加スピードはいずれも利息の収入を超えた。

工商銀行の第３四半期業績レポートによると、今年１～９月期の利息の純収入は昨年同期比23.08％増の1965億6700万元に達している。一方、建設銀行の今年１～９月期の利息純収入は昨年同期比20.73％増の1681億7000万元に達した。

李鋼氏は、「銀行の業務に占める非利息収入の割合が上昇するのは銀行の中間業務が活発に発展し、銀行利潤の重要な収入源となっていることを物語っている。また、銀行の中間業務の活発化は、中国の経済生活が積極的で健全なものであることを物語っている」と語った。

転換点を迎えた利潤の伸び率

中信建投証券のアナリスト、熊梅氏の話では、１～９月期の利潤が大幅に増え、経済グローバル化の背景の下で、国際社会に仲間入りしつつある中国の銀行業は世界経済の低迷と同じ運命を経験しているという。

同氏によると、銀行のリスクが第３四半期に現れ始め、第３四半期の業績はわりに高い増加スピードを維持しているものの、第２四半期に比べると増加スピードがやや低下した。例えば招商銀行の１～９月期は昨年同期比80％以上増えているが、第３四半期の利潤は第２四半期より約18％低下し、下げ幅がわりに大きい。

熊梅氏の話では、招商銀行の業績は、第４四半期の費用の増加スピードが第３四半期に比べてさらに高まり、第４四半期は第３四半期に比べマイナス成長になるかもしれないという。

同氏はまた、信用コストの上昇、預金・貸付金利の引き下げによって中国の各商業銀行は2009年に利潤の伸びが低下するだろうと言う。

中央財経大学銀行研究センターの郭田勇主任はメディアのインタビューに答えて次のように語っている。

市場の需要が減り、銀行が企業の借入金返済能力の低下を懸念して貸し渋るという二重の圧力のもとで、数年内で銀行業の利潤に以前のような急成長が再現することはありえない。

現在、金融危機が世界経済の成長に難問をもたらしているが、中国の銀行の今後の成長も同じような挑戦に直面している。

「北京週報日本語版」2008年11月14日