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 農村改革のもう1つの一里塚
第17期三中全会公報を専門家が解説

 

3、 農民の1人当たり純収入を08年から2020年までに倍増

陸学芸氏(中国社会学研究会会長) 2020年までに農民1人当たりの純収入を08年の倍にするということは、今後12年間で農民の純収入を少なくとも年平均6%は増やすという水準を達成させることだ。多くの立ち遅れた地域にとって、12年間で6%の収入増を実現させるという目標は、かなり困難なものだ。

今の中国は、人口の40%が購買力を持っているが、人口の60%は購買力が極めて低いという普通ではない局面にある。このことの最大の原因は、過去において農村の収入が低く、農村の社会保障が未整備で、都市と農村の公共サービスが不均等であったことにあり、こうしたことが農民の貯蓄を長期にわたって膠着状態に置き、農村の消費をけん引する力を無くしてきた。

今回の三中全会公報は、農村経済の発展と農民収入を実質的に増やす問題を集中的に提起するとともに、農村の発展を加速させるには食糧の安定を図るだけでなく、それ以上に重要なことは、農民の収入を安定してアップさせることであり、人口比率の最も高い農民の購買力を高めることで内需拡大を図ることである、ということをも明確にした。

2020年までに全面的に「小康」(ややゆとりのある状態)を実現する際のカギとなるのは、農村の全面的な「小康」である。具体的に言えば、農業生産と農産物の供給で社会の需要を満たすことを保障し、農民の収入を安定して高めることを保障し、農村社会の安定を保障する必要がある。

4、 農民の民主的権益を保障

曹錦清氏(華東理工大学社会学教授) 「農村の末端組織の建設をさらに強化し、村民の自治制度をさらに整備し、農民の民主的権利が適切に保障されるようにする」という文言が指しているのは、村民委員会を規範に則って建設するということであり、2つの内容を含んでいる。1つは、直接選挙を村レベルから郷鎮レベルまで徐々に普及していくことだ。郷鎮の直接選挙まで普及すれば、農民の声がもっと反映できるようになり、郷鎮の人民代表大会ももっと民意を反映するようになるべきだ。2つ目は、ここ数年の普及を通じて、目下、農村の民主選挙は基本的にすでに実現してはいるものの、農村に残っているのがほとんど老人と子どもであるため、「民主的管理」や「民主的監督」、「民主的政策決定」を実現するのが難しいという点だ。このため、一部の能力のある人のサポートが必要であり、その供給源としては、たとえば、党の県委員会からの派遣や大学生の村幹部、外で成功をおさめてUターンを望む人々などがあり、彼らの収入を保障する必要がある。

5、 農村の社会保障を拡大

許光建氏(人民大学公共管理学院副院長) 公共財政の角度から見ると、党第17回全国代表大会は「社会公共サービスの均等化を公共財政の主たる目標とする」と提起したが、今回の三中全会は「全国の都市と農村の基本的な公共サービスの均等化を明確に推し進める」ことを明確にした。相対的に言えば、「都市と農村の均等化」の実現は極めて大きなチャレンジだ。

都市と農村の格差は収入に見られるだけでなく、生活総体の水準を決定づけており、今の農村と都市との公共サービスの格差は極めて大きい。都市と農村のバランスのとれた発展を実現し、二元化構造を打破するには、公報で提起された「都市と農村の経済・社会の発展を一体化させるという新たな形を築き、公共財政がカバーする農村の範囲を拡大しなければならない」という文言がカギとなる。これは実際には、政府が都市の公共サービスを農村までカバーするようにもっていくことを提起している。

新農村建設の本質は農村の公共サービスを改善することだが、現在の核心的な問題は、中央財政の投入に頼るだけでは解決できないことで、農村自体の実体経済の発展をいかに改善していくかがカギだ。農民の生活水準を真に改善しようとすれば、世帯生産請負責任制が基礎であるが、集団経済を振興し、大規模経営を実現させることもカギとなる。国が提供する財政のほか、農村そのものに依拠して公共サービス商品を提供していくこと、これこそが大きな問題だ。

6、 農村の持続可能な発展を確保

王浦詢氏(中国人民大学教授) 「資源節約型で環境にやさしい農業生産システムを基本的に形成させ、農村の居住環境と生態環境を明らかに改善し、持続可能な発展力をたゆまず増強する」という文言は、農村の発展に対する政府の期待で極めて高い目標であり、社会主義新農村の写実的な姿でもある。しかし、2020年までにこのような目標を達成させるには、政府は極めて大きな努力を払う必要がある。

中国経済の発展が必要とする自然資源は農村にあり、工業や都市の発展は農村の環境と資源に一部のマイナス影響をもたらした。たとえば、工業汚染によって一部の地域では飲用水や空気などが汚染されたり、工場と都市の拡張建設のために多くの農民が土地を失ったりしたことなどだ。これらのことは農民の居住環境を破壊し、農村の持続可能な発展に影響を及ぼした。こうした状況をいかに変えるのか?破壊された環境を代価にもたらされた経済成長をどのような方式で解決するのか?これは、地方政府の役人らが真剣に考えるべき問題であると思う。

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