本誌記者 繆暁陽
アニメ・漫画は見るだけでなく、またゲームは遊ぶだけでなく、それらは「装う」こともできる。重慶から来た21歳の女の子・童さんは青いかつらをつけ、アニメの中の登場人物に扮装している。今年、日本へ留学し、アニメ・漫画の関連知識を学ぶという彼女は、「日本で開催される世界コスプレサミットに参加できたら嬉しい」と笑顔で語った。
コスプレは英語のcostume(衣装)とplay(演じる)の合成語だが、中国ではまたcosというアルファベットで表し、衣装、アクセサリ、各種の道具などを用いて、アニメ・漫画、ゲーム、映画の中のキャラクターを演じることだ。コスプレ愛好者はcosplayer(コスプレイヤー)或いはcoser(コサー)と称され、彼らの大部分は15-25歳ぐらいのアニメ・漫画の愛好者だ。
グローバル化が加速している現代社会では、コスプレはアニメ・漫画文化に付随する文化として、若いアニメオタクの流行文化になると同時に、中国全体のアニメ・漫画産業の発展を推進している。

コスプレにはまって3年になるNaka
コスプレの文化性
外部の人から見ると、コスプレは人力と財力をむだに使うだけで、少しも意義がない行為に見える。しかし、コスプレイヤーたちはコスプレに極めて大きい情熱を持っている。アニメ・漫画、ゲームに対する興味以外に、その根本的な理由はこの行為が現代の青少年らの心理的な欲求に適っている点にある。今の大人主導社会では、青少年はある意味で置き去りにされ、或いはコントロールされている。コスプレの含む創造的、反抗的な文化の特徴は青少年たちの興味と自己表現の欲求を十分に満たしている。
「コスプレでは、衣装や道具の加工、化粧、表情や動作の表現、写真の芸術的な処理、音楽や舞台照明の選択とデザインなどの面で、コスプレイヤーがある程度美意識と想像力を持っていなければならない。キャラクターのイメージを再現し、作品の内容を創造するとき、自分の想像力を十分に発揮することができる」と童さんは自分のコスプレ写真を見せながら述べた。
コスプレにはまって3年になるNaka は「コスプレは小さいときにしたままごと遊びのように、好きな役柄や境遇を体感することができ、とても幻想的」と語った。また、彼女は「本当のコスプレはただ表面を装うだけでなく、もっと大事なのは心のありようが変わること。非常に競争の激しい都市社会では、すべての人が仕事や勉学で困難にぶつかり、いろいろなストレスと悩みに耐えている。こんなときに、もう一人の別の自分をコスプレさせて、悩みを解消できれば、ストレス解消に大きな効果があるのではないか」と述べた。
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