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ケンタッキー、中華ファストフードに参入

まだ歴史の浅いこの中国式ファストフードブランドにとって、北京進出という選択は、今後の発展により多くの不確定性を添えたことになる。

1つの中華ブランドを打ち立てることは、数十年前に蘇敬軾氏が抱いた考えだった。1998年、彼はヤム・ブランズの中国事業部総裁に就任。07年にはヤム・ブランズの全世界における3分の1の利益を中国事業部がもたらし、米国での業績が不振な状況のもとで中国市場からもたらされた利益がその株価の上昇に一役買った。現在、ヤム・ブランズは中国の約400都市にほぼ2000店のケンタッキーフライドチキンとピザハットの店舗を展開しているが、この数字はそのライバルであるマクドナルドの3倍にあたる。ケンタッキーが中国最大のレストランチェーンとなっても、蘇敬軾氏は依然として、中国人はやはり中華料理が好きだと考えていた。

中国人はうまいものに目がない。友人との集まり、仕事上の付き合い、休日のレクリエーションなど、さまざまな場面でレストランに出向いてはご馳走を食べる。ヤム・ブランズにも目の前に置かれた巨大なビジネスチャンスが見えてきた。この時代、中国の家庭のほとんどは共働きの夫婦で、自炊する時間がなく、外食するしかない人が多い。シカゴの食品コンサルティング会社であるテクノミック社のデータによると、中国には目下、米国のほぼ7倍にあたる約400万店のレストランがあり、2010年までその売上高は毎年2ケタの伸びが見込まれている。

中国商務部の統計データによると、中国人1人当たりの飲食費の支出額は07年には915元に達する見込みで、年間の飲食業の小売額は17年連続して2ケタの伸びを維持し、18%という高い伸び率で06年を越え、その額は1兆2100億元に達する見込みだ。全業種がめざましい発展ぶりを見せる中、中華ファストフードも強い勢いで伸び、その売上高は2000億元以上に達してファストフード市場全体の80%を占め、伸び率も30%近くで「洋式ファストフード」の伸び率をはるかに上回るようになった。ヤム・ブランズとしてもこの巨大な中華ファストフード市場を放棄したくないのは明らかだ。

さらにヤム・ブランズにとって吸引力を持ったのは、恐らく08年の北京五輪だ。中国烹飪協会の報告書は、08年に海外から北京へ来る旅客数を延べ500万人、国内の旅客数を延べ1億2000万人と分析している。大量に流入する国内外の旅客による飲食需要も北京の飲食業市場に200億元をもたらす見込みだ。

中国は十分吸引力に富んだ市場ではあるが、すべての外国企業がヤム・ブランズのように敢えてその旨みを味わおうとするわけではない。中国では地域によって味の好みの差が大きく、多くの食品でハンバーガーのように全国的に統一された味を作りだすのは難しい。しかも、中国人の食習慣の中に大量に含まれる野菜や麺といった食材は、さまざまな変化が起こりやすい食品だ。

ここ数年間、ヤム・ブランズの本国米国市場での業績は思わしくなく、その株価は長年低迷を続けたあと07年に上昇したことでやっと投資家に一条の光をもたらした。こうした背景のもと、ヤム・ブランズは、短期間にはリターンをもたらす見込みのない中華ファストフードブランドを創設するという蘇敬軾氏に同意。ハンバーガーとポテトを食べながら育った経営陣の目には、焼き麩の甘辛煮やマーボー豆腐はフライドチキンよりずっと理解しにくいものだったに違いない。

だが、説得工作は決して難しくはなかった。蘇敬軾氏の言葉を借りれば、「ヤム・ブランズの経営陣は、食に対する中国人の真剣さとこだわりについて早いうちから認識しており、中国の飲食市場の巨大さも視野に入っていて、ただ、より多くを獲得するためにどのようにすべきか、という点が分からなかっただけ」だという。

「だが、われわれはノウハウを持っていた」と言う蘇敬軾氏とその現地化グループは、どのようにすべきか分かっていた。なぜなら、彼らは洋式ファストフードの経営理念を持つ一方で、コメを食べながら育ったからで、うまくできない理由はなかったのだ。

「ケンタッキーは毎年数十店も開店しているが、東方既白は3年間でたった13店開店しただけ。でも、ケンタッキーは20年かけてやっと中国に2000店をオープンしたのを考えれば、東方既白はそれほど長くはかからないはずだ」と蘇敬軾氏は言う。

「北京週報日本語版」 2008年4月25日

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