上海民政局の統計によると、06年の上海の婚姻届提出数は16万2663組に達し、05年比で62.18%増加した。そして、こうした状況は全国的に見られる。
「06年の北京の婚姻届提出数は17万組を超え、前年比77%増、ここ25年間の最高記録だった」と話す北京市民政局婚姻管理処の李紫薇処長は、さらに「その前のピークは1981年。当時の届出数は20万組を超えた」と語る。
年と日取り以外、生まれ年の干支(えと)も結婚の時期の選択にある程度影響を与える。中国では一般的に、亥年の子どもは運がよく、幸せに平穏な一生を送ると思われている。07年の春節とともに亥年が幕を開けたわけだが、このことも06年に結婚が集中したもう1つの理由だろう。「豚ちゃんベビー」の誕生が多くの新婚カップルの願いだったということだ。(「亥年」の「猪」は日本では「イノシシ」だが、中国では「ブタ」の意味)
出版社に勤務する孟さんは「2008五輪ウェディング年」のブームに乗る大群の中の1人だ。ブライダル市場の活気に話が及ぶと、彼女はたびたび「爆発的」という言葉でこれを形容した。
「私は今年5月に結婚するんだけど、幸い、去年の10月1日の連休にもうレストランやウェディング・カーを予約したの。今年になってから考えたんじゃ、きっと時間も労力も、そして何よりお金がもっとかかったわ。今年、披露宴の1卓当たりの平均価格は去年より数百元も値上がりしたのよ。今年のブライダル市場がこんなに爆発的人気で、披露宴会場も予約が難しいとは思わなかった。実際には、私たちがレストランを選ぶんじゃなくて、レストラン側が私たちを選んでいるのよ」と彼女は明かした。
「信じられないことに」と孟さんは付け加えて「来年5月に結婚する同級生がいるんだけど、彼女は今もうすでにレストランを物色中なの」と言う。
北京のブライダル企業「北京万紅龍翔慶典礼儀公司」のスタッフは「今年結婚するカップルは昨年よりかなり多いはずだ」とこう語る。「春節が過ぎたばかりのころ、私たちの予約リストはもう年末までぎっしりでした。人数が集中している日、たとえば10月18日などは司会者やウェディング・カーはとっくに予約で埋まってしまいました。今年のウェディング・カーが例年より予約が早かったのは、まず結婚するカップルが多いこと、次に、オリンピックとパラリンピックの期間中は交通規制が強化されるため多くの人が早めに手を打ったということでしょう」。
オリンピック年以外に、09年、10年も結婚ブームのピークは続くと見られている。06年と同様に09年は縁起のよい「双春年」のうえ、末尾の「9」という数字は「永久不変」の意味をもつからだ。このほか、オリンピック年の結婚ブームを避けて、婚期を少し後にずらす若者も少なくない。そして、2010年は切りのよい遇数年で、80年代の出産ピーク時に生まれた者たちがちょうど結婚適齢期を迎える時期でもある。
北京のブライダル企業の責任者である馬建文氏は、「予約リストを見ると、今年結婚する人のほとんどが1980年から84年に生まれており、なかでも83年と84年生まれが多い。今年と今後数年間にわたって“ポスト80”が結婚の主力軍になっていくのはあきらかです」と明かした。
注
* :中国では春節(旧暦の1月1日)を新しい年の始まりとする習慣があり、「立春」が「春節」より先に来る年は「立春のない年」として「寡春年」または「寡年」、俗称「寡婦年」などと呼ばれ、この年に結婚すると寡婦になるという言い伝えがあって結婚には不向きな年とされている。
**:中国では偶数を「双数」、奇数を「単数」と表現し、「双数」のほうが好まれる傾向がある。
「北京週報日本語版」 2008年4月11日 |