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ビーイング・マイセルフ──中国の“ポスト80”

「正念場を迎えるたび、力強いパートナーがタイミングよく加わってくれた」。04年以前に募集したスタッフは全員が李想さんより年上だし、ポスト60、ポスト70の企業家らは彼のことを弟扱いして、肝心なときには助けてくれた。「きっと誠実に接してきたからだと思う。人間としてこうしたことができてなかったら、今のような財産も築けなかっただろう」と彼は述懐する。

彼はまた、両親にも感謝すべきだとこう語る。「独立心は両親が僕に与えてくれた最も大切な素質。両親は僕を彼らの理想の人物に仕立て上げようとはしなかった」。

「いい時代に生まれたことにも感謝している」と李想さんは、実年齢より大人びた口調で語った。これまでの既存の業種では、ゼロから起業して億を超す財産を手にするまでには数十年の歳月を必要としただろう。だが、インターネット時代には、短期間で富の集中を図れる。「僕らはインターネットという大潮(おおしお)の中の波しぶきになれただけ」と、クールに考える彼は、PCPOPを波しぶきの「泡」ではなく、「百年の老舗」にしたいと願っている。「この長期目標は、短期目標から導き出された」のだという。

李想さんは、彼がすでに成功していることを否定する。彼がよく使う言葉、それは「成長」だ。

奮闘と選択

上海のあるゲーム会社のCOO・肖徴さんは今年23歳。同僚から「第2の“李想”になるかも」と言われている。だが、ここ半年ほどは、毎日「仕事を続けるべきか辞めるべきか」と悩むハムレット状態が続いている。

引き続き「奮闘」すれば、彼がさらなる高みへと上りつめるのは明らかだ。「100%の努力を払わない人は“奮闘”について語る資格がないという李想さんの考えには僕も同感だ。でも同時に、“奮闘”とは自分の選択に対して責任を負うことでもあると思う」と話す肖徴さんは、こうも語る。「僕は、多くの人たちと同じように、アップテンポな生活を求めて、のめり込んでいってる。ただ問題なのは、一部の人のように仕事に忙殺されるだけのライフスタイルが僕の身にも起きつつあることなんだ。今は、わずかエレベーターを待つ時間も長く感じられてしまう。ある作家が言うように、現代人にとって待ち時間の我慢の限界は15秒、これを超えるとみなイライラし始める。僕の夢はいわゆる“成功”することじゃない。ひたすら忙殺される中で自分を見失いたくないんだ」。

先ごろの旧正月期間中、ふだんはまったくつけないテレビのスイッチを入れ、すでに何度も再放映されている昨年の人気ドラマ『奮闘』を観た。「ポスト80のバイブル」とまで言われたドラマだ。(『奮闘』:北京を舞台に、大学を卒業したばかりの男女6人の若者による“自分探し”のプロセスを描いた連続テレビドラマ。)

「『奮闘』は僕らポスト80やその他の視聴者の共鳴を呼んだそうだが、このドラマの中には仕事で特に成功した人は出てこない。彼らの“奮闘”は住宅のためや戸籍のため、あるいは一人一人の心の中の小さな理想や小さな目標のためだけ。道理で大人気になったわけだよ」。ドラマでヒロインを演じた女優の馬伊俐さん(ポスト70世代)がポスト80について語った「私たちが家であれこれ考えている間に、彼らはもう出発しちゃったのよ!」という言葉を聞いた肖徴さんは、ポスト80はもっと理性的になるべきだという思いを深くしたという。

旧正月が過ぎたばかりのころ、肖徴さんは辞表を提出した。

「人生で最も難しいのは“奮闘”ではなく、“選択”だ」。これは教育専門家の蔡礼旭氏が講演の中でよく語る言葉だ。ネット上で同氏の『幸福人生講座』を見たことのある肖徴さんは今、この言葉を身にしみて感じている。同じくこの考え方に賛同する人に25歳の湯影さんがいる。外資企業のあるセクションで責任者を務める彼女は、蔡氏の講座を聞いたばかりで、一つの「選択」をしたばかりでもある。高給で快適な今の地位を投げ捨てて、文学の博士課程を受験するという選択だ。

実は、文学の道こそ、子どもの頃からの湯影さんの夢だった。しかし、高校卒業のとき、「文学でメシは食えない」という親の意見に従い、経済の道へ進み、しかも素晴らしい成績をおさめた。そして昨年、彼女は母校の要請に応じ、大学2年生に対して授業を行った。その際、多くの学生にとって大学進学の目的は、よりよい仕事に就くためであること、一人の命のすべてがひたすら金儲けに捧げられていることに気づく。

「お別れのとき、私の“贈る言葉”を聞いて、後輩たちはみな笑ったのよ!」という彼女の「贈る言葉」はこんな言葉だった。「大学に進学するのは、自分自身を実効性に富んだ経済的な個体へと改造するためではありません。私たちはより多くの時間を、生命の真の意味を追究する時間に費やすべきであって、職業などといった些細なことのために心を砕くべきではありません。現実に直面する必要に迫られる、その時までは」。

「北京週報日本語版」 2008年3月7日

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