温家宝首相が訪日した時、立命館大学の学生と共に野球を行ったエピソードなどを集めた「温家宝投手 背番号35」という本は、日本各界の中国および中国首相に対する大きな関心を引き起こした。日本語版の同書は2007年12月に日本僑報社から出版されたが、胡錦涛主席の訪日を控え、温家宝首相訪日一周年を記念するため、日本僑報社は3月に中国語版を出版する。

「温家宝投手 背番号35」によると、温首相が日本で着た35番のユニホームは立命館大学が日本のスポーツウェア会社に依頼して作ったもので、同会社の女性従業員が手仕事でユニホームの上に温首相の名前のピンイン「WENJIABAO」を刺繍し、その上に中日国交正常化35周年を象徴する「35」を付け加えた。温家宝首相はもともと中国から持ってきたユニホームを着て野球をするつもりだったが、日本側関係者のこうした気持ちを知った温首相は、喜んでこのユニホームを着ることにし、そして帰国の際、これを北京に持ち帰ることにした。8カ月後、中国を訪問した福田康夫首相は温家宝首相との会談の席上、すすんで温首相に一緒に野球をしたいと提案し、温家宝首相は喜んで同意した。こうして翌朝、二人の首相が北京で早朝キャッチボールを行う光景が実現された。この時、温首相が着ていたのは日本側が贈呈した「35番」のユニホームで、この35番のユニホームを着て、京都の野球場で楽しいひと時を過ごし、また北京で福田首相と野球交流を行ったわけだ。
この本の企画者「日本光輝国際」の李暁岩社長、出版社「日本僑報社」の段躍中編集長は次のように述べた。
35番のユニホームは中日国交正常化35周年を象徴し、温首相と福田首相のほかに、両国の外務省など関係部門の役人、政治家らにこの本を贈呈した。今回、福田首相の中国訪問の際、二人の首相の間で行われた野球交流は、この本が大きな推進作用を果たしたのではないかと思う。「温家宝投手 背番号35」の中国語版を胡錦涛主席の日本訪問前に出版するのは、この本が再度中日両国をつなぐ架け橋になることを望むからである。
同書の中国語版の訳者、早稲田大学政治学研究科の趙新利氏は次のように述べた。
作者と出版側の応援を受け、翻訳などはすでに終わった。この本の中には中国国家指導者の庶民的な姿と中日友好に対する執拗な追求が見られ、人々を感動させる。中日間の野球外交は中日外交史にすばらしい1ページを残すだろう。この本が胡錦涛主席の日本訪問へのプレゼントになるよう希望している。
「北京週報日本語版」 2008年2月27日 |