――20数年ぶりの大型航空機開発プロジェクトの再開は、今期の中国政府が国内外の状況を冷静に分析した上での決断である。言うまでもなく、中国にとってはプロジェクト完成まの道のりは長いものとなろう。
馮建華
中国航空工業第1グループ会社(中国最大の航空研究・開発会社、以下「中航第1グループ」と略称)科学技術委員会の劉大響副主任は、スムーズにいけば、中国は2020年前に国産大型航空機を持つことになろう、という見通しを明らかにした。こうした見方は国内外で幅広い注目を集めている。各国の航空工業の発展のレベルが異なっているため、大型航空機は相対的な概念である。国際航空輸送システムでは、座席数300以上の旅客機が「大型旅客機」と言われているが、中国では、座席数150以上の旅客機も「大型旅客機」と言われ、座席数100以下は「コミュータ機」と言われている。2007年は中国航空工業発足55周年に当たる。この特別な節目に際して、世界で伸びの最も速い航空市場として、中国は20数年ぶりに大型航空機の独自開発を国家戦略の1つとして打ち出すことになった。
「大型航空機プロジェクトは、今期政府が国内外の状況を冷静に分析した上での決断である」。かつて、国務院が組織した「大型航空機プロジェクトのフィージビリティスタディ・グループ」のメンバーであった中央政策研究室の王超平研究員はこのように語っている。
現状では、ボーイング、エアバスが世界航空市場で絶対的な優位を占めており、中国はなが年らい高価な外国の航空機を買うしかなかった。中国はまた、ある意味で外国会社の工場と化している。
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