高所得層が消費の伸びをけん引
リサーチ会社「零点調査」の袁岳博士・社長は、中国の住民消費について専門的な調査・研究を行った。その結果、これまで人々が長年使っていた耐久消費財も、速いペースで買い換えされるようになっている。たとえば、都市部の中・高所得層の中では、16.5%の消費者は1年も経たないうちに携帯電話を買い換えており、26.1%の人は2年たらずでMP3を買い換えている。
「30~50歳の人たちは都市部高所得層の大多数を占めている。彼らはまた、消費の主体でもある」、と袁岳さんは語っている。
年齢を見ると、高所得層の中で最も多いのは30~40歳の人たちで、都市部高所得層の37%を占めている。そのうち、1億人近くの一人っ子が含まれ、彼らは就職してわずか5、6年しか経っていない。この年齢層の人たちの大半は、良好な教育を受けた人たちであり、バイタリティーに富み、体力もあり、市場経済の発展に伴い成長して来た人たちで、将来に対して自信に満ちており、中国都市部の消費の主力となりつつある。その次は、40~50歳の人たちで、都市部高所得層の31.3%を占めている。この年齢層の人たちは経験が豊かで、経済力もあり、事業・仕事の面でも一定の成果を出しており、収入も多くかつ安定的である。
経済力の上昇に伴い、消費意欲を満たすと同時に、人々の消費もより自由になっており、自分が好きなように消費するケースが増えている。都市部住民の消費の過程における個性的・新鮮さ・差別化追求の特徴が顕在化しつつある。
「個性化、差別化の消費理念がますます人々に認知されている」と袁岳さんはいう。
「零点調査」の「中国の中・高所得都市部住民のファッション指数に関する研究レポート」で明らかにされたところによると、中国都市部の中・高所得住民の中で、74.5%の人は「自分の服装やアクセサリー、用品が他人と異なり、個性的であることを望んでいる」。この差別化追求のニーズは、消費の過程における競争意識をかもし出している。これにより、商品の選択もますます多様化し、住民の消費の空間は絶えず拡大している。
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