住民消費は依然として強含み
統計データでは、中国の住民消費の伸び率は収入の伸び率をはるかに上回るものである。
第1四半期の中国の社会消費財小売総額は前年比14.7%増であるが、昨年の中国の都市部住民の1人当たり可処分所得から価格要因を除くと、わずか10.4%増で、農村住民の1人当たり純収入はわずか7.4%であり、社会消費財小売総額の伸び率を大幅に下回るものであった。
住民消費の持続的な伸びは、中国の消費総額の絶対値が上昇し続けるという状況をもたらしている。国家統計局の過去からの統計データでは、1990年の中国の社会消費財小売り総額は1兆1365億元で、2006年は7兆6410億元に増え、1990年の6.7倍となっている。
住民の消費水準も確実に上昇している。1978年の中国住民の1人当たり消費額は184元であったが、2005年は、5434元に伸びた。
「現在、消費構造はすでに生存型消費から自己発展・享受型消費に変わっている」、と鍾偉さんはいう。
鍾偉さんはさらに、自己発展・享受型消費の浸透につれ、住宅、乗用車、通信、文化・レジャー娯楽などが消費の新しいホットスポットとなっている。
中国商業連合会が4月8日発表したレポートは鍾偉さんの話しを裏づけている。このレポートによると、2006年における中国の貴金属・宝飾品の売上高は28.5%増、建築および内装材料は24%増、通信器材は22%増、家具は21.3%増、家電製品および音響器材は19.2%増、化粧品は18.6%増、自動車は26.3%増となっている。
レポートはまた、2007年には消費の伸びる傾向が引き続き保たれるとしている。「2007年の社会消費財小売総額の伸び率が2006年を上回り、約14.5%増で、社会消費財小売総額は8.7兆元になる」と予測している。なお、2006年の中国の社会消費財小売総額は7.6兆元であった。
1997~2006年社会消費財小売総額の実質伸び率
年 |
社会消費財小売総額
(億元) |
実質伸び率(%) |
1997 |
26843 |
10.2 |
1998 |
29153 |
9.7 |
1999 |
31135 |
10.1 |
2000 |
34153 |
11.4 |
2001 |
37595 |
10.1 |
2002 |
40911 |
10.2 |
2003 |
45842 |
9.2 |
2004 |
53950 |
10.2 |
2005 |
67177 |
12.0 |
2006 |
76410 |
13.7 |
(データの出所:国家統計局)
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