2001年2月、四川省成都市西郊の蘇坡郷金沙村蜀風花園建設工事中、思いがけず1200点を超える貴重な金器、玉器、石器、青銅器とトンの桁を数える象牙が発見された。発掘の結果、3000年前の蜀国の都の廃墟――金沙遺跡の全容が現れた。
金の仮面、金の衣冠、「太陽神鳥」の金箔など、金沙遺跡で発見されたこれらのものは、一般の人々にとって、名前は知っていてもなかなか実物に触れることができないものだった。しかし、金沙遺跡博物館が4月中旬に正式に開館し、その願いがまもなく実現することになった。
金沙遺跡は21世紀における中国考古学界の重大な発見である。紀元前12世紀から7世紀にあった古蜀国の都の跡で、範囲は5平方キロに及ぶ。同時に出土した古代象牙が世界で最も多い遺跡であり、中国でも同時に出土した金器、玉器の最も多い遺跡でもある。その美しさが世を驚かせた「太陽神鳥」金箔はこの遺跡から発見されたものである。
2004年11月、金沙遺跡と出土文物の保護、研究、展示をするテーマとする金沙遺跡博物館の建設が着工し、二年間にわたる建設を経て、今年4月に正式オープンすることになった。成都市文物考古研究所金沙遺跡工作站の張擎主任の紹介によると、金沙遺跡博物館への総投資は3億8900万元、敷地面積は30万平方メートル、遺跡館、陳列館、文物保護センター、園林区と観光者接待センターからなる。博物館の平面図を見ると緑化面積がかなり大きい。「博物館全体の緑化面積は13万8143平方メートル、そのうち緑地は70.7%に達しています」と張主任。生態環境を営造するため、大量のイチョウ、アケボノスギなど古い樹種を植えたそうだ。
金沙博物館の見学ポイント
遺跡館、陳列館、文物保護センター、園林区及び太陽神鳥広場でいったい何が見られるだろうか。
遺跡館は遺跡の祭祀の場所にある。中国で発見された祭祀場の中では保存が最もよく、祭祀品が最も多い。
ポイントは、見学者はここで古蜀国の複雑な祭祀行事と広大な気宇を実感し、考古と発掘の全過程を見ることができる点にある。
陳列館は古蜀人の生活をありのままに展示しているところで、当時の人の様子や、造型が珍しく工芸的にも優れた器物が展示されていると同時に、古蜀文明の発生、発展、変化の歴史も展示されている。
ポイントは、見学者がその中に入って古蜀の金沙人としてその生活の空間で彼らと同じように生産し生活するゲームをすることができる点だ。
保護センターは文物保護研究区である。
ポイントは、区内には金沙小劇場があり、見学者は金沙文化にかかわる演目を観賞することができる点にある。
園林区はコクタンの林と玉石のある所である。
ポイントは、成都平原の数千年の環境の変遷を知り、古蜀人が玉をつくった時の苦しい過程を感じることができることだ。
太陽神鳥広場は太陽神鳥金箔の原型の彫塑が置かれている所である。
ポイントは、古蜀人が手工で金箔を作ることを観賞し、現代工芸で拡大した太陽神鳥金箔の彫塑を観賞することができる点にある。
「北京週報日本語版」2007年4月9日
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