最高人民法院(最高裁に相当)関連部門がこのほど明らかにしたところによると、英国人アクマル・シャイフ死刑囚の麻薬密輸に対する死刑再審が既に終わり、同死刑囚は29日、新疆ウイグル自治区烏魯木斉(ウルムチ)市で注射により死刑執行された。「新華社」が伝えた。
最高人民法院は再審を経た結果、アクマル・シャイフ死刑囚(英文名:AKMAL SHAIKH、英国籍)は2007年9月12日早朝、タジキスタン共和国の首都ドゥシャンベ市から4030グラムのヘロインを携帯し国際便に搭乗、ウルムチ国際空港に到着したことが確認された。入国の際、中国税関安全検査員は同死刑囚の手荷物のすき間にヘロインが携帯されていたことを発見、鑑定の結果、純度は84.2%だった。
最高人民法院の認定によると、シャイフ被告が膨大な量のヘロインを中国国境内に密輸した事実は明確であり、証拠に揺るぎはなく、その行為は毒物密輸罪に相当し、罪業は極めて深刻で、中国刑法第48条、第347条の規定に基づき、烏魯木斉(ウルムチ)中級人民法院(地裁に相当)が下したシャイフ被告に対する死刑判決の量刑は妥当だとして、法に基づき死刑判決を認めた。シャイフ被告は拘留され、審判の全過程を受け、しかるべき訴訟権利および関連待遇は法により充分に保障されていた。
英国駐中国大使館領事および英国の減刑を訴える組織が弁護士を通じ、シャイフ被告に対する司法精神鑑定を行うよう求めていた。中国の関連法律では、被告に対して精神鑑定を行う申請は無条件には受付けず、申請人は被告が精神疾患を有する可能性の根拠を提出する必要があり、裁判所側が鑑定を行うか否かは審査を通じて判断される。英国側が提供した材料は、シャイフ被告の精神疾患およびシャイフ被告の家族の精神疾患を証明するのに不十分だとし、シャイフ被告本人も関連材料を提供しなかった。裁判所の審査は、本案においてシャイフ被告の精神状態に対して懐疑が生じる理由はなく、その精神鑑定申請はしかるべき受け付け条件を具備していないと認定した。
「人民網日本語版」2009年12月30日 |