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社会  
砂漠でオアシスをつくる王有徳さん

 

53歳の王有徳さんは、寧夏回族自治区霊武市白芨灘国家自然保護区管理局の局長兼白芨灘防風防砂営林場の場長。

条件も良く、待遇も良い職場へ転任するチャンスを4回も断り、砂漠で20年間も働き、毛烏素砂漠の南西部をあまねく回ってきた。王さんが砂漠化防止や植林事業で上げた業績は、人々の心に立てられた永遠の記念碑となっている。

「後人のために緑を多く残し、人生に後悔を残さない」というのが、王さんの一生をかけての理想だ。営林場の責任者になって21年来、王さんは従業員を率いて防砂防風林1万7353ヘクタールをつくり、2万100ヘクタールの流砂を抑え、約3万本の木を植えた。また、毛烏素砂漠の南西部に東西の長さ42キロ、南北の幅10キロに及ぶ緑の障壁を作り出し、砂漠の拡大化を食い止めた。昔は黄砂が空を覆い、生態環境と生活条件が非常に悪い営林場は、今では生物の種類が豊富で、生態環境がすばらしい国家自然保護区となっている。

1985年以前、営林場は管理がずさんで、経済効果が低く、人々の心も緩んでいた。王さんは営林場に転任した後、次の三つの改革を思い切って実行した。(1)管理者を削減し、支出を削減する。(2)平均主義の配分制度を打ち破った上で、仕事の能率に基づく賃金制度を築く。(3)土地や林木、労働力など資源上の強みを十分に生かし、草の栽培、牧畜の飼育、やなぎ細工、輸送などの産業を興す。これら三つの改革の実施で、従業員流出がなくなり、人々の責任感が強まり、従業員の積極性が引き出された。

1990年、営林場は経済林234ヘクタールをつくり、さまざまな樹木16万8000本を植えて、砂漠をオアシスに変えた。これによって、約360人の就職問題が解決された。彼は他にも、建材企業を2社、苗木・花卉公司を1社起業し、添保防砂植林有限公司などを設立した。

21年間に営林場の固定資産は40万元足らずから3325万元に増え、林木資産は6倍増の5800万元に達し、従業員の収入は9倍増となり、一人当たりの年収は1万2000元を上回るようになった。

王さんの知識尊重、人材重視の姿勢は、技術者を引きとめただけでなく、他のところの人材をも引き付けてきた。

長年にわたり、王さんは科学に頼って砂漠化対策を模索し続け、「中日(寧夏=島根)友好林」、「日援寧夏黄河中流流域防護林」など6つの植林プロジェクトを相次いで実施した。また、砂漠化地区の農業用林業実験モデルについて日本と共同研究を展開し、針葉樹と棗の木の混合林地で節水浸透型灌漑技術を実行し、黄河中流の防砂植林プロジェクトを組織、実施し、植林方法と砂漠対策をまとめた上、これを普及させ、面積約2680ヘクタールの中国唯一の砂漠植物採種基地を作り上げた。こうした一連の砂漠対策や植林技術の活用によって、林木の活着率が向上した。

1986年以来、上級機関は何回も王さんをさまざまな役職に引き立てようとしたが、いずれも王さんに婉曲に断られた。王さんはためらうことなく白芨灘に残ることを選択した。十数種の病気を患い、左目は失明に近い状態の王さんだが、彼は砂漠と闘う最前線で奮闘しつづけている。

王さんは「優秀な共産党員」「先進工作者」「公僕ベストテン」「全国緑化先進工作者」「全国先進工作者」「全国砂漠化防止の英雄」の各称号に輝いた英雄だ。

「北京週報日本語版」2008年1月8日

 

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