中国の対外開放度の拡大と経済の持続的で急速な発展につれて、中国語の文化的価値と実用的価値が日増しに向上し、ますます外国の政府や教育機構、企業、民衆に重視されるようになってきている。

この１年間で、世界では平均４日に１カ所の孔子学院が設立されている。世界各地の主流メディアでは、「孔子学院」関連の報道をほとんど毎日読むことができる。世界に中国語を普及し、孔子学院を設立することは、文化交流を推進し、世界の調和を促進するのに重要な意義があることが十分に認められている。「ニューヨーク・タイムズ」は昨年１月11日に掲載した論評に「中国当局は中国語文化を活用してより暖かく、より積極的な中国のイメージを樹立している」という専門家の話を引用した。「ウォール・ストリート・ジャーナル」が昨年９月1日に掲載した「世界で漢語ブームが進む」と題とする文章は「中国政府の中国語普及戦略が優れている点は、教育と言語を普及することで外部世界に中国に対する理解を深めさせる点にある。これは、一つの国の影響力を拡大する上で最も効果的なルートである。軍艦は他国の人民を一時的に屈服させることしかできないが、相手国の人民に自分の言語を理解させれば、彼らを味方にすることができるのである。このアイディアは確かにりっぱなものである」と述べている。

「ソフト実力」という言い方はハーバード大学ジョセフ教授によって最も早く提起された。氏はワシントンで記者のインタビューに対して次のように語った。「中国の『ソフト実力』はここ数年急速に強まった。『ソフト実力』を高める政策を講じることは中国がとった賢明な行動である。孔子学院が世界各地に設立され、中国の言語と文化を学ぶ外国人が増えていることも『ソフト実力』の具体的な現れである」

胡錦涛国家主席は04年６月15日に、最初の孔子学院――ウズベキスタンのタシケント孔子学院との協力取決めの調印式に出席した。

07年１月31日、温家宝総理は訪中したポルトガルのジョゼ・ソクラテス首相とともに、北京の人民大会堂で行われた中国とリスボン大学孔子学院の協力の調印式に出席した。

これまで、世界各地に設立された孔子学院は128カ所に達する。その内訳は、アジア46カ所、ヨーロッパ46カ所、北米26カ所、アフリカ６カ所、オセアニア４カ所である。国内で孔子学院の運営に参与している大学は51校あるが、国外では大学と機関が126もある。

孔子学院は中国で初めて多くの機構が共同で作り上げた文化的ブランドだ。国家対外漢語教育指導グループ事務室は「孔子学院規約」、「孔子学院の中国側の資金管理規則」などの管理規則およびさまざまな協力取決めの基準となる文書を制定し、孔子学院の運営の質は制度上からも保証されることになった。世界各国の孔子学院はさまざまな運営方法と協力形態をとっている。昨年末に40校の孔子学院を対象に行ったサンプリング調査によると、半数以上は運営時間がまだ半年に達していないながらも、中国語課程が300科目開設され、１万人以上の学生を養成しているとともに、さまざまな文化や経済・貿易の講座、展覧、公演なども行い、参加者は延べ20万人を上回っていることが明らかになった。

昨年７月に開かれた第１回国際孔子学院大会には、世界の36の国や地域の大学の学長、孔子学院の指導者および駐中国の外国使節を含む550人が集まった。参会者たちは孔子学院に極めて大きな情熱と期待を抱いている。

日本立命館大学の長田豊臣学長は「文化の交流と民間の相互往来がなければ、国と国の関係には実り多い成果は上がらない。日本の孔子学院は日中関係の礎石となる」と語った。

孔子学院の急速な発展はさらに世界での“中国語ブーム”を促し、孔子学院は中国文化が世界に進出する重要なブランドとなっている。

「北京週報日本語版」2007年４月16日