習近平国家主席は20日に人民大会堂で、フィリピンのドゥテルテ大統領と会談した。習主席は次のように指摘した。

中比は海を隔てて向き合う近隣国であり、両国民は血の繋がった兄弟だ。中比は同じく開発途上国であり、団結・相互扶助・協力・発展が共通する目標だ。私たちは風雨を経たが、睦まじい友好の感情の基礎、協力の意向に変わりはない。

中比関係の未来をより良く切り開くため、我々は過去を総括し、経験を汲み取る必要がある。中比の睦まじい友好に資することならば、全力を尽くして取り組むべきだ。双方は食い違いの適切な処理を堅持する。両国が国交を樹立してから大半の時間に渡り、双方は二国間対話・協議により南中国海問題の食い違いを適切にコントロールしていた。これは発揚すべき政治の知恵であり、継続可能な成功の実践であり、中比関係の健全かつ安定的な発展を保証する重要な共通認識と基礎だ。私たちは友好的な対話と協議を堅持すれば、すべての問題について率直に意見交換し、食い違いを適切にコントロールし、協力の対話を始めることができる。一時的に話し合うことができなければ、棚上げすることができる。

習主席は中比関係の今後の発展について、次の4つの提案を行った。

（一）双方は政治的相互信頼を強化する。中国人は平和を愛し、親仁善隣だ。中国は平和的発展の道を歩み続け、隣国と良き関係を結び、隣国を友とする睦まじく友好的な政策を堅持する。中国は国家主権を断固たる姿勢で守り、同時に係争の平和的解決を堅持する。双方は高官クラスの交流を強化し、高官による戦略的意思疎通の両国関係の発展に対する指導力を発揮するべきだ。今回の訪問を契機とし、両国政府・政党・議会・地方などの全面的な交流と協力をけん引する。

（二）双方は実務的協力を展開する。両国の発展戦略を全面的に結びつけるため、中国はフィリピンと「一帯一路（シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード）」の枠組み内の協力を強化し、互恵・ウィンウィンの実現を模索する。中国はフィリピンの鉄道、レール交通、道路、港湾などのインフラ整備に積極的に参与し、現地人に福をもたらす。双方は法執行・防衛協力を強化する。中国はフィリピン新政権の、麻薬撲滅、テロ対策、犯罪取締の努力を支持し、フィリピンと関連協力の展開を願っている。双方は経済・貿易・投資をめぐる協力を拡大する。中国は企業の対フィリピン投資の拡大を促し、フィリピン経済のより良い、よりハイペースな発展を支援する。双方は農業と貧困対策の協力を深化させる。中国はフィリピンの農業生産及び農村発展能力の向上を支援し、両国の漁業企業の協力展開を支持する。

（三）双方は民間交流を推進する。中国は中国人によるフィリピン旅行を積極的に奨励し、両国の教育・報道・文化・メディアなどの分野の交流を強化し、地方の協力を促進する。中国はフィリピンのスール国王の初訪中から600周年を祝う、一連の記念活動を実施することを提案する。

（四）双方は地域・多国間事業の協力を強化する。中比はいずれも開発途上国であり、国際関係の民主化を共に推進し、国際秩序の公平・合理的な方向への発展を促すべきだ。

ドゥテルテ大統領は、次のように述べた。

中国は偉大な国であり、比中の悠久なる友好にゆるぎはない。中国の大きな発展の成果は、敬服されている。フィリピンは経済・社会の発展に対する中国の力強い支援に感謝する。両国の各レベルの緊密な交流、国家発展及び社会管理の深い交流、経済・貿易、投資、農業、科学技術、製造業、インフラ、防災・減災、観光、航空、メディア、麻薬撲滅、テロ対策、海上警備、人文などの協力の力強い推進に賛成する。アジアインフラ投資銀行が、フィリピン経済の発展でより大きな力を発揮することを願う。

両国首脳は会談後、中比の経済・貿易、投資、生産能力、農業、報道、品質検査、観光、麻薬撲滅、金融、海上警備、インフラ整備などの分野の、13の二国間協力文書の調印に立ち会った。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2016年10月21日