南中国海問題を処理する中国の政策
中国は南中国海の平和と安定を守る重要な力である。中国は南中国海における領土主権と海洋権益を確固として守るとともに、話し合いと協議によって紛争を解決することを堅持し、規則とメカニズムによって見解の相違を管理制御することを堅持し、互恵協力を通じてウインウインを実現させることを堅持し、南中国海を平和の海、友情の海、協力の海にすることに力を注いでいる。
1. 南沙諸島の領土問題について
中国は南中国海の諸島およびその付近海域に対する主権を断固として守る。一部の国が南沙諸島の一部の島嶼・礁に対して不法な領有権の主張を行い、また武力を用いて侵略・占領することは、『国連憲章』と国際関係基本準則に対する深刻な違反であり、不法かつ無効である。これに対し、中国は断固として反対し、また関係国に中国の領土への侵害を停止するよう要求している。中国は終始一貫して、フィリピンを含む直接関係国と、歴史的事実の尊重という点を踏まえて、国際法にのっとって、話し合いによって関係紛争を解決することに力を入れている。
2. 南中国海の海洋境界画定問題について
中国は、直接関係国と、『条約』を含む国際法にのっとって、話し合いによって南中国海の海洋境界画定問題を公平に解決することを主張している。境界画定問題が最終的に解決されるまでは、各方面は自制を保ち、紛争を複雑化・拡大化させ、平和と安定に影響を与えるような行動をとるべきではない。 中国は一方的な行動で海洋管轄権を中国に無理に押し付けようとたくらむいかなるやり方も受け入れず、中国の南中国海における海洋権益に損害を与えるいかなる行動も認めない。
3. 紛争の解決方法について
中国は、国家間に生じるいかなる種類の紛争であれ、それを解決するに当たってどのようなメカニズムや方法を選択したとしても、いずれも主権国家の意思に反してはならず、その国家の同意を基礎とすべきであると確信している。当事者が平等な話し合いによって合意を達成してこそはじめて、関係紛争を根本的かつ恒久的に解決することができ、関係合意を全面的かつ有効に貫徹・施行することができる。
領土と海洋境界画定問題において、中国は無理に押しつけられたいかなる紛争解決方法も受け入れず、第三者に訴えるいかなる紛争解決方法も受け入れない。
4. 南中国海における見解の相違の管理制御と海上実務協力の展開について
中国は関係国との二国間海上協議の仕組みの構築を積極的に推進し、漁業、石油・天然ガスなどの分野においての共同開発を検討し、関係諸国が『条約』の関連規定にのっとって南中国海沿岸諸国の協力の仕組みを構築することを積極的に討議するよう呼びかけている。
中国は終始ASEAN諸国と共に『宣言』を全面的かつ効果的に実行に移すことに力を注ぎ、海上実務協力を積極的に推進している。中国は終始、各方面が全面的かつ効果的に『宣言』を実行に移す枠組みの下で、「南中国海における行動規範」に関する協議を積極的に推進し、協議による意見の一致を見た上で早急に「規範」を成立させるために努力するよう呼びかけている。中国は「海上リスクコントロールの予防的措置」の策定を討議することを提案し、ASEAN諸国の賛同を得た。
5. 南中国海における航行の自由と安全について
中国は一貫して各国が国際法によって享受する航行と上空飛行の自由、海上通路の安全を擁護することに力を入れている。各国が南中国海において国際法に基づいて享受する航行と上空飛行の自由にはいかなる問題も存在しない。
南中国海の海上航行通路の安全を保障し促進するため、中国は国際公共財を積極的に提供し、国際社会に航行誘導・援助、捜索・救助、海況・気象予報などを含むサービス提供に努めている。
中国は、関係各方面は南中国海で航行と上空飛行の自由を行使する際に、沿岸国の主権と安全・利益を十分に尊重すべきであり、また『条約』の規定とその他の国際法規則に基づき制定した沿岸国の法律と規約を順守すべきであると主張している。
6. 南中国海における平和と安定の共同擁護について
中国は、南中国海の平和と安定は中国とASEAN諸国が共同で守るべきであると主張している。 南中国海は中国と周辺諸国を結ぶ架け橋であるとともに、中国と周辺諸国との平和、友好、協力、発展の絆でもある。南中国海の平和と安定は地域内諸国の安全、発展、繁栄と互いに密接な関係があり、地域内の各国の人びとの幸福と密接な関係がある。南中国海地域の平和、安定、繁栄、発展を実現することは中国とASEAN諸国に共通する願いと責任であり、各国の共通利益にかなうものである。
中国はそのために引き続きたゆまぬ努力を払っていきたいと願っている。
「北京週報日本語版」2016年7月13日