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評論  
戦争望まぬなら、威勢を張るのはやめよ

 

米国空母の黄海軍事演習への参加は、朝鮮半島をめぐるポーカーゲームの賭け金を吊り上げた。これより前に起こった朝韓の相互砲撃は戦術的なものだが、米国の空母を巻き込んだ新たな摩擦が発生した場合、衝突の性格は変わることになる。

米韓朝のうち、半島の全面戦争を迎える準備をしている国は本当にあるのか?答えは否だ。本当に戦争をしたいところなど一つもない。北朝鮮は米韓を打ち破る力を持っていないし、韓国も半島全面戦争に耐えうるだけの意志の強さはない。米国とてイラク戦争の深い穴からようやく這い出たばかりだ。結末の見えない新たな戦争に直面する心の準備はまったくない。

そうである以上、米韓朝は強さを誇示するような強硬な態度で相手に脅しをかけようと試みるべきではない。米韓朝は、相手が自分より愚かということはなく、自分が相手の切り札が何かを分かっているように相手にも実はこちらの切り札が分かっている、ということを知るべきだ。

中国は28日、局面を緩和するために6カ国協議首席代表の緊急会議開催を呼びかけた。この呼びかけが役に立つにせよ立たないにせよ、中国の態度は誠実で事実に基づき真理を追究するものだ。

米韓と北朝鮮は中国が提供した新たな契機をとらえ、互いに脅しをかけ合うような戦略を放棄し、ただちに北京の話し合いのテーブルにつき、砂金を探し当てるようにして対立の中から共通点を見い出すべきである。

当面は、各国が過度に強硬な態度を取り、引っ込みがつかなくなるのを避けるべきだ。特に米韓は、政府の立場と民間感情とが互いに作用しあって、ボルテージが上がりやすい。民主がいつも戦争の火を消し止める消火栓というわけではない。一部の国では、国の重要な瀬戸際において、民主によって強硬主義的な民意が固まったこともあった。

北東アジアには奇妙な現象がある。平和はこの地域における絶対的優位性を持つ主流の民意であるにもかかわらず、世論上はしばしば非主流である強硬主義的な声に打ち負かされてしまうのだ。どの国の世論においても、強硬主義を主張していれば比較的安全である。選挙のことを考えると、強硬主義は政治上有利だからだ。それに反して、理性と相互妥協を呼びかけるのはリスクが高い。しばしば「軟弱」や「売国」のレッテルを貼られてしまうからである。

北東アジアはこの奇妙な囲いの中から脱しなければならない。まず、各国政府は真実を語るべきだ。真相から目をそむけ、現実離れした強硬主義の主張が世論を占めるようなことをしてはならない。これまでの曲折は、北東アジア各国の政府に極端な主張を和らげる力があることを示している。肝心なのは、政府が国民の利益のためにそうしているのかである。

北東アジアの過去十数年の状況は、対外強硬主義で自らの問題を解決できた国は一つもなく、強硬主義は一部の政治家に一時的な利益をもたらしたにすぎないにもかかわらず、それによってもたらされた傷は国が時間をかけて癒さざるを得ない、ということを示している。強硬路線は最終的にいつも政府の政権交代などの変動によって修正される。

朝鮮半島はここ数年間ずっと緊張が続き、今では危険な火花を散らし始めた。これはまず38度線の両側に対する警告であり、次にこの地域全体への警告である。現在の危険は我々にこう告げている。歓迎されていないはずの戦争が、ある奇妙なやり方で絶えず我々に近づきつつあり、我々もまた奇妙なやり方で戦争が少しずつ近づいてくるのを容認している。

むろん、最後の瞬間に真相を明らかにして、これまでのことはすべてフィクションだったと言うことはできる。しかし、次の事実を忘れてはならない。朝鮮半島をめぐるゲームに全局を統括するディレクターはいない。全員が出演者であり、不文律の暗黙のルールに従って驚くべき危険なドラマが書かれつつある。そのドラマに書かれたフィクションが現実のものにならないと誰が保証できるだろうか?(環球時報)

「北京週報日本語版」2010年12月1日

 

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